岩手県二戸市。
標高852.2mの折爪岳山頂付近。
ここに日本最高レベルの無料キャンプ場を発見しました。
私が224泊目で出会った最高の無料キャンプ場の魅力とは一体なのか。
私自身の体験レポートとともに詳しくご紹介します。
折爪岳オートキャンプ場の魅力
- 無料の区画オートサイトキャンプ場
- 標高852.2m、ブナやミズナラの原生林が広がる山間ロケーション
- 日本最大級のヒメボタルの群生地
- 安心、安全、有料キャンプ場同等以上の規格
折爪岳オートキャンプ場は、標高852.2mの折爪岳山頂付近に位置し、ブナヤミズナラの原生林が広がる自然に満ちた山間ロケーションにあります。夏場は涼しく過ごすことができるでしょう。
また、森林と清らかな湧水に恵まれ、北東北最大のヒメホタルの群生地としても有名な場所です。
引用:折爪岳ホームページ「100万匹の光のイルミネーション」折爪岳〜ホタルと風の調和〜
折爪岳オートキャンプ場、最大の魅力は、無料でありながら区画のオートキャンプが楽しめることです。
手入れの行き届いた芝のサイト、区画されていることで他の無料キャンプ場のフリーサイトでは味わえない極上のプライベート感を楽しめます。 施設は有料キャンプ場同等以上にきれいで整備されています。
管理人さんがいることにより、安心してキャンプを楽しむことができ、安全面でも配慮がなされています。
安心、安全、有料キャンプ場同等以上の規格を無料で利用できるのは最大の魅力だと思います。
折爪岳オートキャンプ場 予約はどうする
折爪岳オートキャンプ場は予約が必要です。
電話か折爪岳ホームページからのWEB予約となります。
電話の場合は前日まで(9:00~16:30)、web申し込みの場合は3日前までとなっております。
【電話予約】:ふるさと自然公園センター 0195-23-7599
【web申し込み】折爪岳ホームページはこちら https://oritsumedake.com/
折爪岳オートキャンプ場 基本データ
訪問年月 | 2023/5 | 晴れ/翌日晴れ |
名称 | 折爪岳オートキャンプ場 | https://oritsumedake.com/ |
場所 | 〒028-6107 岩手県二戸市福岡織詰 | 0195-23-7599 |
業態 | 公営 | |
ロケーション | 山間 | 折爪岳(標高852.2m) |
サイト | オートキャンプサイト(区画) | 芝 硬 □□☑□□ 柔 |
サイト規模 | 中規模 | |
営業期間 | 5月1日~11月17日 | 2023年度情報 |
予約方法 | 電話 or web | |
in / out | 13:00~16:30/9:00~11:00 | |
料金(利用プラン) | 計 0円 | 無料 |
(内訳) | 駐車料金 | なし |
施設利用料 | なし | |
サイト料金 | なし | |
受付 | 受付時間 13:00~16:30 | ふるさと自然公園センターにて |
売店 なし | ||
レンタル なし | ||
薪 販売無し | ||
設備 | トイレ:2棟 | 水洗・和式、洋式 |
風呂:なし/シャワー:あり | 100円/5分 | |
炊事棟:1ヵ所 | ||
炭捨て場:あり | 炊事棟内 | |
その他 | 遊歩道、山居湧水 | |
ごみ | 持ち帰り | |
直火の可否 | 不可 | 薪による焚き火は炊事棟内釜土だけに限る、サイト内不可。炭は可。 |
薪の調達状況 | 易 □☑□□□ 難 | |
電波状況 | 悪い | ※楽天モバイル |
客層(主観) | ソロ □□□□☑ ファミリー | |
獣・虫 | くま、おこじよ、テン、きつね、うさぎ、ニホンジカ、カモシカ等 | ※聞き込み情報 |
管理棟までの路面状況 | 舗装道 | |
サイト内路面状況 | 舗装道 | |
買い出し | スーパーマーケット | ジョイス二戸店 約13.2km |
コンビニ | ローソン二戸市立図書館前店 約11.3km | |
その他 | 温泉 | 来田保養センター 約20.6km |
折爪岳オートキャンプ場 場内散策
折爪岳オートキャンプ場、場内散策した様子を自作MAPと画像でまとめました。
折爪岳オートキャンプ場 場内MAP
折爪岳オートキャンプ場、場内MAPを作成しました。
折爪岳オートキャンプ場 場内散策の様子
到着してからサイトへ入場する様子、場内散策の様子を紹介します。
各所の様子はMAPで確認できるよう①~⑧まで番号を付けました。
以下掲載する画像の番号が上記MAP上の番号場所で撮影した風景です。
散策する気分で参考にしてください。
折爪岳オートキャンプ場 サイトの様子
折爪岳オートキャンプ場は、全て区画オートサイトとなっています。
サイト指定はできません。
受付順で選ぶことができるようです。
メインロードの両端にはサイトが配置されています。
入り口から進行方向右側に並ぶのが山側ロケーション。
左側に並ぶのが谷側ロケーションです。谷側ですが木が生い茂り眺望は遮られています。
入り口付近のNo.21から19はやや高い位置にあり、それ以外のサイトは同一平面上にあります。
各サイトには、車一台分の駐車スペースの他、タープやテントを快適に設営できるほどの広さがあります。
地面は芝で覆われています。
アルミペグでも十分に地面に固定できると思われますが、風の影響を受ける地形のため、鍛造ペグでしっかりとペグダウンすることをお勧めします。
折爪岳オートキャンプ場 施設の様子
折爪岳オートキャンプ場には、管理棟、炊事棟、トイレ、シャワーなど、必要な施設が一通り整っています。
受付は、場内の管理棟ではなく、ふるさと自然公園センターで行われます。
受付を済ませると、別の管理人さんがキャンプ場のゲートを開けてくれ、入場することができます。
注意:受付を済ませないとキャンプ場に入ることはできません。
キャンプ場では、ゴミは持ち帰りとなりますが、炭や灰は専用の廃棄場所で処理することができます。
なお、サイト内では薪を使用した焚き火は禁止されていますが、炭の利用は可能です。また、炊事場内の釜土でのみ薪を使用した焚き火が許可されています。
折爪岳オートキャンプ場 受付(ふるさと自然公園センター)
受付は「ふるさと自然公園センター」で行います。
ふるさと自然公園センターはビジターセンターとしての機能をもち、受付の他、折爪岳の成り立ちや自然を学ぶことができる施設です。
また併設する「もりの学び舎」では数多くの木製遊具を体験できます。
折爪岳オートキャンプ場 管理棟
折爪岳オートキャンプ場の管理棟は、管理人さんが待機しています。
管理棟では、販売品やレンタルは提供されていません。
棟内にはトイレとシャワーが備えられています。
シャワーの利用については、5分100円の料金がかかります。
折爪岳オートキャンプ場 炊事棟
折爪岳オートキャンプ場には炊事棟が1棟あります。
炊事棟には2段のシンクが配置されており、低い段と高い段があります。
シンクの反対側には釜土が並んでいます。
サイト内での薪を使った焚き火が禁止されているため、薪を燃やす場合にはこちらの釜土を利用する必要があります。
一方で、サイト内では炭の使用が認められています。使用後の炭や灰は、こちらに炭捨て用の容器が設置されており、廃棄することが可能です。
折爪岳オートキャンプ場 トイレ
トイレは場内に2カ所あります。
ひとつは、場内中央付近に位置し、炊事棟の隣にあるトイレ棟です。
もうひとつは、前述した管理棟内にあります。
トイレ棟には男女別のトイレが備えられており、さらにバリアフリートイレも設置されています。
手洗い場には鏡があり、物を置くスペースもあるのでコンタクト利用者には便利です。
男子便所の便座は和式です。
バリアフリートイレは洋式、ウォシュレット付きとなっています。
管理棟内のトイレは洋式です。
自然の恵みがもたらす美味しい湧水「山居湧水」
ふるさと自然公園センターからわずか1分の距離に山居湧水と呼ばれる場所があり、清涼な水が湧き出ています。
湧水は定期的な水質検査が行われ、安心して飲むことができます。
そのpHは6.8と中性に近く、まろやかな味わいと共に口当たりの良さを感じることができます。
その透明でクリアな水は地元の人々に愛されているようで、タンクを持って汲みに訪れる方々もちらほら見られました。
キャンプ場からも遊歩道を通ってアクセスできます。
キャンプで一味違ったコーヒーや水割りを楽しむことができるでしょう。
ぜひ、ふるさと自然公園センター、折爪岳オートキャンプ場を訪れた際には、山居湧水を味わってみることをお勧めします。
折爪岳オートキャンプ場で過ごしたソロキャンプの様子をレポート
北東北キャンプツーリングの旅、最終地に選んだキャンプ場。
前泊する予定の大間崎キャンプサイトから距離計算し、南へ移動するのにちょうどよい場所にあったことからこちらを利用することにした。
無料ということ以外、事前情報は全くなし。
令和5年度、電話予約受付開始日の4月30日(日)当日。
午前中に電話し無事予約がとれて胸をなでおろした。
旅は予定通り、5カ所目の大間崎テントサイトまで順調に進んだ。
大間崎から尻屋埼灯台に立ち寄り、それからまっすぐ南下しキャンプ場を目指す。
八戸を通り、東北自動車道九戸ICの北のあたりから折爪岳に続く山道へ入った。
道幅は狭く、くねくねとしたカーブが続く。
焦る気持ちを抑えつつ、景色を眺めながらゆっくりバイクを走らせる。
時刻は13:20。キャンプ場についた。
入り口はゲートが閉まっていた。ゲートの外でバイクを降りると管理人さんが小走りで駆け寄ってきた。
「受付すませたかね?」
「え、ここじゃないんですか?」
「ここからうえにある『ふるさと自然公園センター』で受付してからきてもらえるかな。悪いね。」
先に違う場所で受付を済ませるようだ。
丁寧に道順を教えてもらい、キャンプ場から約350mのところにある自然公園センターへ急ぐ。
上履きに履き替え、入り口左にある事務所の窓口で受付を済ませた。
話もそこそこにキャンプ場へ急いで向かおうとしたが、駐車場からの景色があまりにもきれいで見入ってしまった。
ベンチと椅子があり、ここで食事をしたらさぞかし気持ちが良さそうだ。
キャンプ場へ再訪。
「あれ、遅かったねぇ」
? 受付のひとから管理人さんに連絡がいくシステムらしい。なるほど。
時刻は13:40。既に入場者は7割ほどだった。
ひととおりの説明を受ける。サイトは空いている好きなところを使ってよいそうだ。
とりあえずバイクで場内にある舗装された一本道を奥まで行ってみる。
奥はサイトが埋まっていた。
中央付近、山側は施設利便性が良さそう。
谷側は樹木が景色を遮っている。
悩んでいたら、ちょうど前泊者が撤収しサイトが空いた。
「あそこね、結構人気あるんだよ」とは管理人さん談。
それではと、一番高い平面上にあるNo.20に決めた。
専用の舗装された駐車スペース、広いサイト。専用の照明まである。
トイレは洋式便座もあるし、施設はどれもきれいに清掃されている。
おまけに管理人さん付。
これで無料?!凄すぎないか?
クオリティの高さに驚愕した。
こんなに広いサイトなので勿体なく思い、タープを建てることにした。
それでもタープ下に持て余すスペースがあり、わざわざコットを置いてみた。
さて、腹ごしらえは楽しみにしていたカツカレー♪
なぜだがキャンプが終盤に差し掛かると、カツカレーが食べたくなるから不思議である。
SOTOのフィールドチャッカーでカツの表面を炙る。
他は冷たくても、カツの表面がサクッとして温かいだけでもうまさはUP、満足感が高まる。
SOTOのフィールドチャッカーは何かと便利なので道具箱に忍ばせているレギュラー品だ。
腹ごなしに遊歩道を歩いてみよう。
No.18とNo.19のサイトの間から遊歩道に入る。
場内を出るとブナヤミズナラの原生林がそこら中に溢れている。
森の中?
クマさんに?
いやいや、まさか。(汗)
一抹の不安がよぎったが、深いところまでいかなければ大丈夫だろう。
キャンプ場からふるさと自然公園センターの建物が見えるとこまで歩くと、湧水があった。
水質検査証が掲げられた名のある湧水らしい。
手ですくって口へ運び飲んでみる。
冷たくてうまい。雑味がない。
こりゃ、ウィスキーの水割りに良さそうだ!
ここまで結構な道のりだったが、ジャグをもって引き返してきた。その価値がある湧水とみた。
夜の楽しみが増えた。
ぱんぱんに膨らませたジャグを指に食い込ませながらサイトへ戻った。さて夕飯の支度。
業務スーパーの100円冷凍ピラフにソーセージをのせ、戦闘飯盒Ⅱ型を使って一気に水蒸気炊飯。
業務スーパーで買った瓶詰のオレガノバジルのトマトソースをかけて出来上がり。
なかなかのビジュアルだ。味も満足。
戦闘飯盒Ⅱ型があれば、どこでも業務スーパーの100円ピラフを美味しく調理できるのでおススメである。焦げ付かないので洗い物も楽♪
初期投資は値が張るが、秀逸な調理器具として一軍の座に君臨している。
日が暮れてきた。
木々の間からオレンジ色の夕日が差し込む。
そうだ、ふるさと自然公園センターで見たらさぞかしきれいな景色がみえるのではないか?
ちどり足で行ってみる。
夕日を堪能するには一足遅かった。黄昏時になってしまった。
それでも幻想的な景色を眺められたことに感謝しよう。
サイトに戻るとすっかり闇に覆われた。
ウィスキーに汲んできた湧水で水割りにし、これまでの旅路を思い出しながら悦に入る。
空には満月。
最終地としてふさわしいキャンプ場に巡り合えたことを嬉しく思うのであった。
朝、5:00。小鳥のさえずりで目が覚めた。
皆がまだ寝静まる中、早めの撤収を完了させる。
炊事棟にあるボックスに記載した利用アンケートを投函した。
感謝の言葉を一筆添えて。
財布にも優しく、充実した時間を過ごすことができた。
また絶対来たいと思うキャンプ場。
ホタルの時は混むのだろうなぁ。
折爪岳オートキャンプ場 まとめ
■一般的な無料キャンプ場と折爪岳オートキャンプ場を比較
今まで訪れた無料キャンプ場での体験と、折爪岳キャンプ場の比較をしてみた。
【サイト確保に関して】
一般的な無料キャンプ場
フリーサイトが多い。in/outの時間も不明確。場所取りに不確実性がある。
折爪岳オートキャンプ場
予約制の区画サイトであるため、確実に利用ができる。場所取りに苦労する必要がない。
【駐車場】
一般的な無料キャンプ場
オートサイトではない場合が多い。駐車場からサイトまで遠いこともしばしば。乗り入れ可でも地面が舗装されていないこともある。オートフリーサイトの場合は車で封鎖され、出入りの導線を潰されることもあった。
折爪岳オートキャンプ場
サイト横に舗装された専用駐車場があり、安心して駐車できる。搬出入も楽。
【施設】
一般的な無料キャンプ場
利用者のマナーの悪さや管理の不十分さにより、清潔感がなく、設備の不具合が放置されている場面を見てきた。
折爪岳オートキャンプ場
清潔に保たれており、有料キャンプ場と遜色ないレベルを誇っている。
【モラルに関して】
一般的な無料キャンプ場
管理人が不在のため、マナー違反や無秩序さが目立つ。過度なサイトの占有、音楽や夜遅くまでの宴会、ゴミの不法投棄等、周りへの配慮が欠ける行動など治安が悪い傾向が見られる。
折爪岳オートキャンプ場
管理人が常駐しているため、マナーが守られ秩序が保たれている。治安が良く、安心して滞在することができる。
折爪岳オートキャンプ場は、一般的な無料キャンプ場とは異なり、全てオート区画サイトであり予約ができれば確実に利用できる点が大変魅力的です。
フリーサイトでは場所取りに難儀することもありますが、こちらのキャンプ場ならプライバシーを保ちながら快適に滞在できます。
また、スタッフがいるため、一般的な無料キャンプ場で見られる無秩序さやカオス状態もなく、秩序が保たれ、安心してキャンプを楽しむことができる点が大変ありがたいです。
施設も清潔に保たれており、有料キャンプ場と遜色ないレベルを誇っています。
一部ウォシュレットトイレやコイン式シャワーなど、利便性の高い設備も整備されており、快適なキャンプ環境を提供してくれます。
ただ一点だけ、サイト内での薪を使った焚き火が禁止されているため、焚き火を楽しみたい方には不満があるかもしれませんが、他の魅力によってそれを十分カバーしていると言えるでしょう。
総じて、折爪岳オートキャンプ場は有料キャンプ場並みの充実した設備とサービスを無料で提供している日本一の無料キャンプ場と呼ぶにふさわしい場所だと思いました。
機会があれば是非一度訪れてみることをおススメします。