キャンプをしていくと、『もっと遠い場所でキャンプがしたい!』と思ったことはないだろうか。
島でキャンプを楽しみたい、といった欲求は誰しも考えたことがあると思う。
そこで、飛行機で行くキャンプ。
手荷物をいつもよりコンパクトにまとめ、必要最低限のギアをわくわくしながら厳選する。
しかし厳選した必要最低限の必須ギアが、飛行機に持ち込めない、預け入れができない、
または完全NGの場合がある。
今回は国内飛行機(JAL)を利用する際、手荷物として注意すべきキャンプ道具を紹介する。
JAL企業情報 – お客さまへのお願い おあずけ・機内へのお持込に制限がある手荷物について(安全への取り組み)
出典:JAPAN AIRLINE 『おあずけ・機内へのお持込に制限がある手荷物について』
飛行機に持ち込み、預け入れできないキャンプ道具は?


飛行機に持ち込み、預け入れできないキャンプ道具
・引火性ガス(OD缶、CB缶)
・青い炎がでるライター、吸収剤(綿)が入っていないオイルライター、万能マッチ
飛行機に持ち込み、預け入れできないキャンプ道具 引火性のあるガス缶はNG
キャンプ道具に欠かせないOD缶、CB缶は、引火性ガスのため持ち込みも預け入れも禁止。
OD缶に使うプリムスのウルトラバーナーなどのバーナー本体、
CD缶に使うイワタニのジュニアバーナー本体は持ち込み可能。
ガス類は現地で調達し、現地廃棄を頭に入れておきたい。
飛行機に持ち込み、預け入れできないキャンプ道具 SOTOのトーチライターはNG
意外であるのがSOTOのトーチライター。
ライター、マッチは一つであれば持ち込み可能だが、
青い炎がでるライター(ターボライター等)は葉巻用ライターと扱われ、禁止物となっている。
飛行機に持ち込み、預け入れできないキャンプ道具 吸収剤(綿)が入っていないオイルライター
吸収剤(綿)が入っていないオイルライターは禁止物。
画像にあるのは吸収剤(綿)があるジッポーライターのため持ち込みは可能。
飛行機に持ち込み、預け入れできないキャンプ道具 マッチの種類・量も注意が必要
マッチに関しても注意点がある。
ライター同様、マッチ一つであれば持ち込み可能だが、これは安全マッチのこと。
キャンプでよく好んで使われる万能マッチは禁止物扱いとなる。
安全マッチだとしても、徳用マッチは例外として禁止物に当たるため注意が必要。
機内持ち込みできないキャンプ道具

機内持ち込みができないキャンプ道具
- 刃物類などの危険物
- ペグも対象
機内持ち込みできないキャンプ道具 刃物類
当然ながら危険物である刃物類は機内持ち込みができない。
ハイジャック等の懸念があるので、こちらは社会通念上当たり前のこと。
注意すべきはビクトリーノックスのナイフを代表とする小型の十徳ナイフ類。
うっかり手荷物にしてしまったがために、没収されないよう注意が必要である。
- キーホルダー替わりにして身に着けていた。
- 持ち込み荷物に入れていた。
- 行くときは気をつけていたが、現地キャンプの時にうっかり服のポケットに入れっぱなしにしていた。
機内持ち込みできないキャンプ道具 ペグ
盲点になりがちなのがペグ。
危険物扱いとなりかねない。
大抵テントと一緒に収納することが多いのではなかろうか。
テントを預け入れする分には問題ないが、
小型のテントの場合、うっかりペグを入れたまま持ち込みする際には要注意だ。
人が殺到するなか、収納したテントからペグを抜き出し、
没収までされて残念なことにならないように。
その後ペグのないテントを収納するときの、絶望と虚しさが漂う姿は容易に想像できる。
機内預け入れできないキャンプ道具

機内預け入れできないキャンプ道具
- 喫煙用ライター・安全マッチ
- 電子機器予備のリチウムイオン電池(充電式タイプ)
機内預け入れできないキャンプ道具 ライター・安全マッチ
キャンプに限らず、ライター、マッチは預け入れができない。
逆にひとつだけ機内持ち込みができる。
持ち込みも預け入れもできないライター、マッチは上述を参考にしてほしい。
機内預け入れできないキャンプ道具 モバイルバッテリー
撮影に使うデジカメ、携帯電話の予備用としてモバイルバッテリーを持っていくことが想定されるが、
モバイルバッテリーは電子機器の予備のリチウムイオン電池(充電式タイプ)に該当し、
機内預け入れができない。
持ち込みは可能だが、条件がある。
次項にて説明を加えるので参考にしてほしい。
モバイルバッテリーの機内持ち込みについて
持ち込みができる電子機器の予備のリチウムイオン電池(充電式タイプ)の条件
- ワット時定格量が100Wh以下のもの。⇒制限なし
- ワット時定格量が100Whを越え、160Wh以下のもの。⇒2個まで
※短絡(ショート)しないように個別に保護してあるもの
持ち込みに制限があるものとして、このような記載があるが、
はて?なんのことやらチンプンカンプン?
ワット時定格量の求め方
まずはワット時定格量の計算式を理解する必要がある。
下記、多摩電子工業、10400mAHのモバイルバッテリーを例にして計算例を説明する。
①表示記載より、定格容量=10400mAh、定格電圧=5Vということが分かる。
②公式に入れる定格容量の単位はAhであるためmAHをAhに換算する。
1Ah=1000mAh のため、10400mAH÷1000=10.4Ah。
これでワット時定格量の公式に当てはめることができる。
③ワット時定格量=定格容量10.4Ah×定格電圧5V を計算すると、
ワット時定格量は 52.0Whとなる。
ワット定格量の数値はわかった。
重要なのが何個持ち込めるのか。
- ワット時定格量が100Wh以下であれば制限なし。
- ワット時定格量が100Whを越え、160Wh以下のものは2個まで。
この計算式によるとワット時定格量が52.0Whであることから、
制限なしで持ち込むことができる。
容量が10000mAhを超えるのに意外と規制数字に満たないことが分かった。


短絡(ショート)しないように個別に保護してあるものとは
購入時の小売容器に収納するか、あるいは端末を絶縁することをいう。
要はテープ等で剥き出しの接続部にテープを貼ればよいということ。
PSEマークがない、海外製品、ジャンク品モバイルバッテリーは要注意!
モバイルバッテリーは平成30年2月1日電気用品安全法の規制対象となっている。
背景としては携帯電話や電子機器の普及によりモバイルバッテリーの需要が高まり、生産量が増加。
中には粗悪な品質のものがあり、電車内の発火など、事故が多発したことにより法制化されている。
平成31年2月1日以降は、PSEマークの無いモバイルバッテリーは販売禁止。
企業がPSEマークを取得するには、事業の届け出、技術適合義務、適合性検査など、法に基づく義務を履行しなければならない。
故にPSEマークが表示されていないモバイルバッテリー(ジャンク品を含む)は安全性が懸念される。
古いモバイルバッテリーを所有している場合はよく確認したほうがよい。
キャンプギアの中でもモバイルバッテリーの用途をこなす充電式のランタン、ライト等がある。
ワット時定格量、またはそれがわかる定格容量、定格電圧が表示されていないものは持って行かないことをおススメする。
ワット時定格量が160Whを超える場合は機内へ持込みも預け入れもできない。
ワット時定格量がわからないので没収なんてことがないように。
飛行機でいくキャンプ 屋久島へ



飛行機を利用してキャンプするに至った理由は、屋久島でキャンプをしたい!と思ったのがきっかけ。
関東圏から屋久島へ行く場合、空路で行くことが最適と考えた。
時間的、コスト的、利便性が高いからだ。
JALで飛行機を予約。屋久島でキャンプなんて!わくわく感が止まらない。
だが半面、初めての飛行機キャンプ。不安があったのも事実。
何故なら自分が使うどのキャンプ道具が規制対象になるのか、
旅客規定を見ても明確な品目がなく、判断がつきにくかった。
電話をしようとしたが、コレクトコールとなるのでやめた。
規約を読みこみ、なるべく怪しいと思ったキャンプ道具は排除し、飛行機にのって屋久島へ上陸。
現地でスーパーカブをレンタルし、食材、CB缶を調達。
無事キャンプを楽しみ、キャンプ道具も没収されることなく生還できた。
屋久島キャンプの様子はいずれ投稿したいと思う。
実績として実際に持って行った主なキャンプ道具を下記に記す。
今回はJALを利用した。
是非、飛行機キャンプの参考にしてほしい。

預け入れした主なキャンプ道具〔スーツケース〕
- バンドックソロベース(ペグ、ポール、ロープ含む)
- FIELDOORのチェア
- ビクトリーノックスのナイフ
- Iwataniジュニアコンパクトバーナー
- PATHFINDER カンティーンクッキングセット
- サーモス ソフトクーラー 5L
- 三脚
持ち込みした主なキャンプ道具
- 百円ライター
- モバイルバッテリー 3つ
- ミラーレスカメラ