キャンプで挽きたてのコーヒーを味わいたい。
自然の景色を見ながら香り高いコーヒーを楽しむ。
コーヒーミルで豆をガリガリと挽く。
ドリッパーにフィルターをセット、挽いたコーヒーを入れ、愛用のトランギアケトル0.6で熱湯を注ぐ。
ドボドボドボ…。予想通りだ。いつもの光景。
勢いよく湯が飛び出し、繊細な注ぎ方ができない。
中心から円を描くようにゆっくりお湯を注ぐなんて無理。
出来栄えなんて景色と雰囲気で妥協。いつもドボドボコーヒーに甘んじている。
せっかく選んできたコーヒー豆、果たして最大限の魅力を引き出せているのだろうか?
やはりドリップケトルが必要なのか。
かといってドリップケトルは嵩張る上に少々お高い。
ツーリングソロキャンパーの身の丈には見合わないものと、断念せざるを得ない。
なんとか今あるトランギアケトルでうまくお湯を注げないものか?
調べてみた。
なんだ、ケトルノズルってあるんじゃないか!
完全にノズルの形状を変えるタイプだ。まさに求める姿はこういうこと。
他に簡易ドリップポットになるものも見つけた。
ふむふむ、なるほど。これは面白い。
針金やクリップとかで作れそうだけど、お湯で身体に害のあるものが溶出したら嫌だしな…。
食品衛生検査通ってないし、自己責任だし。
要は何かに水を伝わせて、水流を変えればよいわけだ。
天啓を得た。
そういやアウトドア用の厚口アルミホイルもってたなぁ。
アルミホイルで注ぎ口にフタみたいなものを作ってみたらどうだろう。
お湯がフタを伝って、細い注ぎを実現させるのではなかろうか。
ケトルの各要所をノギスで測定、型紙をつくり厚口アルミホイルを加工。
フタらしきものをつくり、ケトルに装着。
恐る恐る湯を注ぐ。
おぉ!細い!できたんじゃないか、これ!
厚口アルミホイルを加工し、トランギアケトルでドリップケトルのような水流を実現させた。
トランギアケトル、ドリップ化計画。今回自作したパーツの作り方、使用感をレポートする。
トランギアケトル0.6 ドリップ化パーツの作り方
厚口アルミホイルで、フタを作る。これが今回紹介するドリップを実現させるものだ。
半分はケトルの口に合わせR(アール)をつけており、もう半分はケトルの把手口にひっかけるため穴を開けている。
ドリップ化パーツ作成に必要なもの、型紙の根拠となるトランギアケトルの各要所の測定、ドリップ化パーツの型紙、作り方を紹介する。
ドリップ化パーツに必要な材料・道具
【材料】
厚口アルミホイル(厚さ60マイクロメートル) 36×17mm 1枚
厚口アルミホイルを主材とする。
アルミホイルであれば加工がしやすい。ハサミでもカッターでも好きな形に切り取ることができる。
厚口にした理由としては一般的なアルミホイルは薄いから。
今回使用する厚さ60μmのアルミホイルは、折ると自立するほど頑丈であり、折り曲げた形状も安定する。
厚みをもたせることで熱に対する耐久性を上げるためでもある。
(たまたま持っていたという理由もある。なにかと使えて便利。)
サイズは今回必要な値をトランギアケトル0.6から割り出した。根拠は後述する。
【必要な道具】
- ノギス
- 定規
- 油性ペン
- ねじ切り
- カッターorハサミ
- 紙(付箋程度)
ノギスはここでは特に必要とはしない。測定結果として型紙を掲載する。
自分で何かを造り出そうとする意欲があるのなら、一つは所持していたいものだ。精密な測定ができる。
他の道具は一般的な文具であるので特段買いそろえる必要はないだろう。
ねじ切りは簡易ドライバーセットのなかにあるものを使えばよい。(先端がドリルのもの)
トランギアケトル注ぎ口の測定(ドリップ化パーツ型紙の根拠)
フタとして覆う面積をとるため、トランギアケトルの注ぎ口を測定した。
奥行:18mm 幅:17mm であった。
次はひっかけるところに必要なサイズを測定した。
口元奥から垂直に把手が本体を連結させているところが9mm。
そこより把手のツルの先までが9mmだった。
よってケトルにひっかけるのに18mmの高さが最適な長さとする。
フタ部分で長さ18×幅17mm、ひっかける部分として更に18mmの長さをとることにすると、
長さ36(18×2)×幅17mmの長方形が必要サイズ。
このサイズをもとに型紙を作成する。
ドリップ化パーツ 型紙作り
ケトルの測定により型紙のサイズを割り出した。
36×17mm。
サイズに沿って紙を切り出す。
ケトルの把手にひっかける穴を開ける。
穴の位置は端から9mmの中央線上。
36×17mmの長方形の紙を作り、縦、横それぞれ半分に折り目をつけると印をつけやすい。
これで型紙が完成した。
抜き取られた型紙をあててアルミホイルを抜き取ってもよいだろう。
ドリップ化パーツ 作り方
【ドリップ化パーツ作り方】
- アルミホイルに型紙をあて抜き取る印をつける。
- カッターで型紙どおりに切り取る。
- ケトルの把手にひっかけるための穴を開ける。
- 切り取ったアルミホイルの短辺どおしを折り合わせる。
- ケトルに仮付け。口元のアールに形を合わせる。
- 取り外しハサミでアールを整える。
型紙ができた。いよいよ作成。
厚口アルミホイルに型紙をあて、油性マジックで印をつける。
または型を抜いた紙をアルミホイルにあてて印をつけても良い。
印に沿って定規をあてカッターで抜き取る。
切ったアルミホイルに型紙を当て、穴位置に印をする。
ケトルの把手にひっかける穴を開ける。切れ目が入って中央位置がずれてこないよう穴は真円が望ましい。
ここまできたら半分に折る。
半分はケトルの口元を覆う部分、もう半分はケトルの把手にひっかける部分となる。
ケトルに仮付けする。
この時真ん中の折り目が、注ぎ口の奥に合うように調整する。
口元のアールの部分に形を合わせる。
口元の形になるようにアルミを折り曲げる要領だ。
取り外してハサミで形を整える。
これで完成!
厚口アルミホイルで作ったトランギアケトルドリップ化パーツ その出来栄えは?
厚口アルミホイルで作ったドリップ化パーツをとりつけ、いざ実戦。
ケトルの底面から炎がはみ出さないよう火力を調整。
湯が沸くと口元の湯気でアルミのフタがプルプルと揺れる。
とりつけたまま湯を沸かしたが、このアルミが溶けることはなかった。
注いでみる。
あれ、れ、おい水流?細いのはいいが、水で試したときとは違いお湯が本体に滴り落ちた?
ちょっと調整。
アルミの折り目の角度を変え、ケトルの口元から1~2mmほどフタの先を出してみる。
そろり、そろりとケトルを傾ける。
おぉ!細い水流。
しかも戻した時、本体へ滴りがない。
これぞドリップケトル!といってよいのではなかろうか。
試しにこのフタを外して通常通り湯を注ぐと、やはりドボドボ。
戻そうとするとケトルを伝ってお湯が滴る。このパーツをつけたときとの差が分かった。
厚口アルミホイルで作ったトランギアケトルドリップ化パーツ まとめ
いつも愛用のトランギアケトルでドリップコーヒーを楽しみたいという今回の試み。
専用パーツもあるし、買えば簡単。
だか付箋大のアルミホイル一枚あればそれが自作で実現できるのである。
出来栄えとしてはまずまず。
本家には到底かなわないだろうが経済的で、作成も簡単。持ち運びもコンパクト。
壊れてもなくしてもまた量産すればよい。必要面積は付箋一枚程度である。
作ってみた感想としてはほぼほぼ満足。
サイズを測定し作ってみたが、実着させてから調整も必要。
サイズを変えたり形を変えることで、もっと最適なものを造り出せるかもしれない。
今後も改良の余地あり。試行錯誤も楽しみのひとつ。
是非ともチャレンジして各人最適なものを作ってみてほしい。