【富山県】黒部市明日キャンプ場(どやまらんど)|1張730円!能登半島へ繋がる富山湾の絶景を見下ろす北陸ソロツーリング格安拠点レポ〜北陸キャンプツーリング#1〜

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています
黒部市明日キャンプ場の屋根付きエリアに設営されたソロテントとハンターカブ キャンプ場情報
明日キャンプ場屋根付きの多目的広場にて

いよいよ始まりました、北陸キャンプツーリング!

今回の旅の舞台は、美しい海岸線と雄大な立山連峰を抱く北陸・富山県です。

その記念すべき初日に選んだのは、富山県黒部市宇奈月町にある少し高台のキャンプ場でした。

「1張730円の格安料金!」

そんな噂に惹かれ、新相棒のハンターカブとともに富山へ。

能登半島へと繋がる富山湾を見下ろす高台に辿り着いたその場所は、ソロライダーの旅の拠点として実に魅力的なスポットでした。

今回は、北陸ツーリングのスタートにふさわしい穴場サイト「黒部市明日(あけび)キャンプ場(どやまらんど明日)」で過ごした様子を詳しくレポします。

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  1. 明日キャンプ場 3つの魅力
    1. 【リーズナブルな価格設定】持込テント1張730円&薪1束300円の手頃さ
    2. 【バイク乗り入れOK】最前線サイトに愛車を横付けできるソロライダーに嬉しい仕様
    3. 【高台からの眺望】能登半島へ繋がる富山湾と、季節ごとに変わる風景
  2. 明日キャンプ場 基本データ
  3. 明日キャンプ場 予約から当日利用までの流れ
  4. バイク乗り入れ・車両の搬出入ルート
  5. 明日キャンプ場 サイトの様子&おすすめ設営エリア
    1. サイトの主な特徴(共通事項)
    2. 芝生サイト【下段】(全7区画 / バイク乗り入れ可)
    3. 芝生サイト【中段】(全13区画)
    4. 芝生サイト【上段】(フリーサイト)
    5. 木立サイト(全6区画:A〜F)
    6. 💡 ピンポイントで狙いたい!おすすめ設営サイト
  6. 明日キャンプ場 施設の様子
    1. 明日キャンプ場 管理棟
    2. 明日キャンプ場 炊事場
    3. 明日キャンプ場 トイレ
    4. 明日キャンプ場 灰捨て
    5. 明日キャンプ場 ゴミはどうする?
    6. 明日キャンプ場 その他施設
    7. 徒歩圏内に温泉施設
  7. 【富山キャンプツーリング①】ハンターカブで行く富山ツーリング記|どやまらんど明日キャンプ場滞在日記
    1. 【道中編】上越市〜富山県|蓮の花から宇奈月の秘境巡り
      1. 北陸突入前のちょっと寄り道|高田城跡と蓮の花
      2. 新潟にもあった爆安の殿堂|ラ・ムー上越北店で食料調達
      3. 国道8号を西へ|いざ、北陸富山の地へ
      4. バイクで巡る宇奈月観光
        1. バイクで行ける宇奈月最奥の秘境温泉|とちの湯
        2. 絶景!宇奈月ダム
        3. サクッと立ち寄り|宇奈月ダム展望台
        4. 衝動の寄り道|人混みをぬって間近で捉えたトロッコ電車
        5. 宇奈月の十字石…?
    2. 【滞在編】どやまらんど明日キャンプ場滞在記|貴重体験極上の屋根下サイト
      1. チェックイン|管理人さん直々のサイト案内と電柵迫るダートアタック
      2. まさにコンシェルジュ!管理人さんと巡る場内ツアー
      3. 雨をしのぐ極上サイト|ウイングドームの既視感
      4. 地場スーパーの買い出しと周辺観光の回収
      5. フクラギの美味さと富山の鮮魚魂に唸る
      6. 電柵を越えて現れた神聖な珍客
  8. 明日キャンプ場 まとめ
    1. 良かった点
    2. 留意すべき点
    3. おわりに

明日キャンプ場 3つの魅力

富山平野と海と能登半島
  • 1張1泊730円・薪300円というリーズナブルな利用料金
  • 最前線の1段目サイトはバイク乗り入れ&横付け設営OK
  • 富山湾と富山平野を見下ろす高台の眺望と季節の情景

【リーズナブルな価格設定】持込テント1張730円&薪1束300円の手頃さ

黒部市の公営施設ならではの利用しやすい価格設定が大きな魅力です。

持ち込みテントのフリーサイト利用料は1張1泊730円

さらに管理事務所で購入できる薪も1束300円と手頃なため、数日間にわたるツーリングの宿泊コストをしっかり抑えることができます。

薪は一袋300円!

【バイク乗り入れOK】最前線サイトに愛車を横付けできるソロライダーに嬉しい仕様

クルマの場合は荷降ろし時のみ横付けとなりますが、バイクであればテントサイト内への乗り入れが許可されています。

3段あるサイトのうち、特に最前線にあたる1段目エリアはバイクを直接横付けして設営可能。

重い積載道具を遠くまで運ぶ必要がなく、愛車をすぐ脇に眺めながらキャンプを楽しめるのはライダーにとって大きなアドバンテージです。

【高台からの眺望】能登半島へ繋がる富山湾と、季節ごとに変わる風景

あいにくの曇り空ではあったが、それでも高台からの眺望は〇。水田の上に海、そして能登半島が見える。

黒部川の河岸段丘上に位置しており、天候が良い日には富山平野の向こうに広がる富山湾や能登半島の影を一望できます。

水田に水が張られる5月頃には夕陽が水面に反射して美しい景色が広がり、春には敷地内の桜が楽しめるなど、季節ごとに異なる景観を楽しめるのが特徴です。

明日キャンプ場 基本データ

訪問年月2026/7曇/曇
名称どやまらんど・明日(あけび)キャンプ場どやまらんど・明日(あけび)キャンプ場H.P
場所〒938-0172 富山県黒部市宇奈月町土山1330765-65-1567
業態公営管理委託 東栄土木株式会社
ロケーション高台
サイト区画サイト+フリーサイト芝 硬 □□■□□ 柔
サイト規模中規模26区画+フリーサイト
車両乗り入れバイクは乗入可
※車は搬出入のみサイト付近まで
営業期間4/1~11/30期間内無休
予約方法TEL0765-65-1567
in / outin 13:00~16:00/out ~10:00
料金(利用プラン)730円テント1張、バイク1台、ソロ利用
(内訳)入場料なし
サイト使用料730円/1張1泊
駐車料金なし 
設備管理棟:あり9:00~16:00 
(売店:あり)薪、炭、飲料
(レンタル:なし)※BBQ利用者向けには道具の貸出有
トイレ:あり水洗洋式・和式
風呂:なし/シャワー:なし
炊事棟:あり
灰捨て場:あり炊事棟内ペール缶
ゴミ捨て場:あり各種ごみ袋1枚20円
その他施設東屋、多目的広場、バスケットゴール、プール、炭窯、バンガロー
直火の可否不可要 焚火台&焚き火シート
薪の販売あり300円
薪の現地調達状況難 □□☑□□ 易
電波状況良好楽天モバイル
客層(主観)ソロ □□□☑□ ファミリー
獣・虫シカ、イノシシ、カモシカ電柵あり
※カモシカ目撃
買い出しスーパーマーケット入善ショッピングセンターコスモ21 約10.9km
コンビニファミリーマート 黒部宇奈月店 約6.8km
温泉明日山荘 さか栄約0.37km

明日キャンプ場 予約から当日利用までの流れ

予約は電話受付のみ(ネット予約不可/受付時間 9:00〜16:00)

チェックインは13:00〜16:00

受付時に「利用申込書」を記入し、会計は現金決済のみ対応

どやまらんど明日 管理事務所 0765-65-1567

バイク乗り入れ・車両の搬出入ルート

ふたつのゲート扉を開けて場内に進入する。

荷物の搬出入やバイク乗り入れ時の場内ルートには、いくつか注意すべきポイントがあります。

1. 車道側のゲート扉から進入

まずは道路沿いにある車道側のゲートから場内アプローチへ入ります。

2. ダート道を上る

初めの数mは舗装路だがすぐダートに変わる
真ん中は草が生えこんもりしている。
電柵に接触しないよう注意!

キャンプ場に沿うように伸びる、場外にある未舗装(ダート)の坂道を上っていきます。

3. 場内最上部のゲート扉を開けて進入

最上部にあるゲートに到着したら、扉を開けて場内へ進入します。

⚠️  アプローチ時の注意点  

電気柵に注意: 獣対策として周囲に電柵が張り巡らされています。通行時やゲート開閉時には電柵に触れないよう十分注意ください。

電柵には触れないように案内を受ける

バイクの停車に注意: サイト進入口(ゲート付近)は傾斜があるダート(砂利道)になっています。バイクを一時停車してゲートを開閉する際は、立ちゴケや転倒に十分気をつけましょう。

ゲート扉を開けて閉めなければならない。地面が平らではなく、滑りやすいのでバイクの停車時に注意!

明日キャンプ場 サイトの様子&おすすめ設営エリア

画像は下段サイト

場内は高台に位置し、きれいに刈られた美しい芝生が広がっています。

全体は下段・中段・上段の3段木立エリアを合わせた「全4エリア」で構成されています。

明日キャンプ場 サイト解説図(作成)

サイトの主な特徴(共通事項)

  • サイトタイプ: 区画サイト(芝生サイト下段7区画+中段13区画+木陰サイト6区画)、フリーサイト
  • ロケーション: 高台(富山湾・富山平野を望む)
  • 地面の状況: きれいに刈り込まれた芝生
  • 車両乗り入れ: バイクであれば1段目(下段)に乗り入れ・横付け可。車はサイト付近まで搬出入可。
  • 焚き火ルール: 直火禁止(要焚き火台、焚き火シート)
区画間は番号のついた立て札と地面に張られたトラロープで区切られている
地面は芝

芝生サイト【下段】(全7区画 / バイク乗り入れ可)

芝生サイト下段

仕様: 前列3区画+後列4区画(東端にステージあり)。

特徴: 唯一バイクの乗り入れ・直接横付けが許可されているエリアです。積載量の多いバイク乗りにとっては最も利便性の高いサイトとなります。

芝生サイト【中段】(全13区画)

芝生サイト中段

仕様: 前列7区画+後列6区画。

特徴: 下段より一段高い位置にあるため、視界が開けロケーション面で非常に優れたメインエリアです。

芝生サイト【上段】(フリーサイト)

芝生サイト上段(フリーサイト)
地面は多少の起伏がある。

仕様: 全面フリーサイト(起伏あり)。

特徴: 区画に縛られず自由に設営できるフリーサイト。高台の最上段に位置しています。

木立サイト(全6区画:A〜F)

木立サイト下からC~A
多目的広場のほうにD~Fがある。

仕様: 下段サイトの西側にランダムに配置されたアルファベット(A〜F)の区画。それぞれ段違いにある。芝生サイトと比べ横並びではないのでソロにおススメ。

特徴: 木々に囲まれており、芝生サイトに比べ木陰があります。

💡 ピンポイントで狙いたい!おすすめ設営サイト

富山平野の向こうに広がる富山湾や能登半島を一望できる、ロケーション抜群の直線上に位置するおすすめサイトは以下の2つです。

絶景No.1:【中段 15番サイト】

中段15番サイト 管理人さんもイチオシのサイト

場内の中で最もロケーションが良い特等席
高台からの抜け感が抜群で、正面に広がる富山湾の景色を独り占めできます。

バイク乗りおすすめ:【下段 1番サイト】

絶景ライン上に位置しつつ、バイクを直接横付けできるのが最大の強み。
炊事場、トイレへのアクセスも良い。
ライダーにとって最高の条件が揃ったサイトです。

明日キャンプ場 施設の様子

「1泊730円」という低価格帯ですが、施設全般はしっかりと管理・清掃されており、快適に利用できる設備が揃っています。

それでは、それぞれの施設について詳しく見ていきましょう。

明日キャンプ場 場内MAP作成

明日キャンプ場 管理棟

明日キャンプ場 管理棟

敷地入口付近にあり、到着後の一番最初に立ち寄る場所です。

周辺観光地のパンフレットが豊富に揃い、ここで観光情報が得られます。

左が受付。飲料品の冷蔵ケース、薪の入った袋がある。右側には周辺情報が載ったパンフレットがずらり。

対応時間: 9:00〜16:00

販売品: 薪(1束300円)、炭(3kg 500円)。他キンキンに冷えた飲料品が販売されています。

明日キャンプ場 炊事場

明日キャンプ場 炊事場1
明日キャンプ場 炊事場2

場内には計2ヵ所の炊事棟が設置されています。
屋根が付いているため、雨天時でも雨に濡れることなく調理や洗いものが可能です。

設備: 水道・シンクのほか、中央には作業しやすい調理台や、かまどが備え付けられています。またスポンジが常備されているのが助かります。

スポンジが常備。きちんと水切りのよい容器に入っている。

特徴:

絶妙なシンク構造: シンクには「浅いタイプ」と「深いタイプ」の両方が用意されています。深さのあるシンクのおかげで、高さのあるウォータージャグや大型のクッカーでも無理なく楽に水を入れることができます。

手前に深いシンクがある。縦長のジャグでも楽に水を入れることができる。

明日キャンプ場 トイレ

明日キャンプ場 トイレ

場内に1ヵ所設置されているトイレは、清掃が行き届いており非常に快適に使えます。

設備: 水洗式で、ウォシュレット付きの洋式便座と和式便座がそれぞれ1基ずつ用意されています。格安キャンプ場ながらウォシュレットがあるのは嬉しいポイントです。

なんとウォシュレット付きトイレが完備
もうひとつは和式。ギャップの差がある。

手洗い場: 手洗い場には液体せっけんが備え付けられており、衛生面でのポイントが高いです。鏡も設置されていますが、ものを置くスペースがやや狭め。コンタクトレンズの着脱や洗顔をする方は、道具をまとめられるポーチなどを持参すると便利です。

手洗い場。液体せっけんがあるのは嬉しいポイント

利用時の注意点: トイレの扉は常時解放された状態になっています。掲示の注意書きにもありますが、夜間に虫の侵入を最小限に抑えるため、利用後は必ず電灯を消灯することを徹底しましょう。

明日キャンプ場 灰捨て

炊事棟内に灰、燃え残りの炭捨て用のペール缶が設置されています。

明日キャンプ場 ゴミはどうする?

ゴミは受付時、有料でゴミ袋を購入し廃棄することが可能です。

燃えるゴミ、燃えないゴミ、それぞれ1枚20円と良心的な価格設定です。

明日キャンプ場 その他施設

東屋からの景色

宿泊施設はキャンプサイトの他、バンガローがあります。

管理棟のあるエリア、一番下段にBBQ施設やバンガローが並ぶ。

付帯設備には東屋、BBQ施設、子どもが遊べるプールやバスケットゴール、イベントができる多目的広場など、ファミリーが楽しめる過ごせる設備が整っています。

バスケットができる広場がある。
夏季、無料で利用できる子供用プール
多目的広場。祭りやイベントに使われるらしい。

徒歩圏内に温泉施設

場内にはシャワー施設はありませんが、キャンプ場から徒歩圏内に温泉があります。

キャンプ場から徒歩圏内にある貸切温泉、「明日山荘 さか栄」。

利用に際しては完全予約制。

当日はあいにく予約が埋まっており利用することは叶いませんでしたが、露天風呂や内湯を贅沢に貸切で利用できるそうです。

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【富山キャンプツーリング①】ハンターカブで行く富山ツーリング記|どやまらんど明日キャンプ場滞在日記

前日は新潟県上越市に身を寄せていました。

今回からの新たな相棒「ハンターカブ」と共に挑む、初のロングツーリングキャンプ。
目的の舞台は北陸。125ccなので、当然高速道路は封印。

東京から下道での長距離移動、積載の限界量、そして自分の気力と体力――。

全てが未知数だったため、前日に新潟までの移動を敢行しました。
結果、不安は払拭され、この旅はいける!と確信。

目指す富山県はもうすぐ隣。
上越市のホテルを飛び出し、いよいよ北陸キャンプツーリングの1幕目が始まります!

※道中のツーリングの様子から一緒に辿りたい方は、このまま下へお進みください。

※キャンプ場の詳細や滞在の様子をすぐに確認したい方は、以下の目次からジャンプできます。

👉【滞在編】どやまらんど明日キャンプ場滞在記|貴重体験極上の屋根下サイト

【道中編】上越市〜富山県|蓮の花から宇奈月の秘境巡り

前日のホテルでの作戦会議。

キャンプ場への到着予定時刻を13:00に据えた。

そこから逆算しそれまでの時間をどう使うかが思案どころだった。

目的地のキャンプ場は宇奈月方面。確かトロッコ電車が走っているが、バイクで来たしわざわざ乗るのも少し億劫だ。でも、どんな場所なのか一目見てみたい気もする。

そんな中、ホテルのフロントで上越市の見どころを尋ねてみると、

「ちょうど今、高田城で蓮(はす)の花が見頃ですよー」とのことだった。

なんと、今このタイミングでしか見られない絶景らしい。

北陸ツアーのルートからは少し脱線するが、せっかくここまで来たのだ。一目見てから向かうことに決めた。

今日のツーリングタスクを固め、ハンターカブに荷物をしっかりと積載しシートに跨った。

今回の仕様。ハンターカブのフロント部

北陸突入前のちょっと寄り道|高田城跡と蓮の花

西堀橋に咲く蓮の花

朝7:40、高田城へと延びる国道18号を南下。

荷物満載の過積載カブでも、平地なら何とか車の流れに乗れるかと思いきや――、
走行車線を走っていても容赦なく抜かれていく。
「え、ここ無料の高速道路…?」、早速上越の洗礼を浴びる。

高田城内にいくつかある駐車場のうち、蓮の花が見えるという西堀橋近くの駐車場へ到着。

バイクを降りるとすぐ、お堀一面に広がる蓮の花が目に飛び込んできた。
これだけの規模で咲き乱れる姿は見事というほかはない。朝早い時間にもかかわらず、多くの人が蓮の花を愛でに来ていた。

西堀橋と蓮の花

お堀に架かる西堀橋へと歩を進める。しかし、ここで不思議な光景を目にした。
なぜか橋を境にして、北側にはほとんど花が咲いていない。

橋から南側は花が咲き乱れているが…
橋から北側はほとんど咲いてない、なぜだ?!

頭上を覆うものはないのにこんなに差があるのはなぜなのかしら…?と首をかしげた。

それにしても暑い。
さらさらとした着心地だったはずのTシャツが、少し歩いただけで肌にぴたりと張り付くほどの汗が噴き出していた。

この暑さで全部見て回るのはキツイ。要所だけ絞って見にいくことにした。

高田城は城跡だが、「三重櫓(さんじゅうやぐら)」という建造物が残っているようだ。
「誰のお城かも知らずに行くのもなんだかな」と思いつつ歩いていると、ふと歴史を解説する看板に目に留まった。

看板に描かれていたのは、葵の家紋。
そして「松平忠輝」の文字。 あれ…? このひともしかして、伊達政宗の婿じゃね?

なんと、あの異端児と呼ばれた松平忠輝公のお城だったとは、ね。

松平忠輝:大河ドラマ『独眼竜政宗』で若き日の真田広之が演じた徳川家康の六男。政宗の娘「五郎八姫」の夫。

高田城跡 三重櫓

旅先でまさか、遠く離れた伊達政宗ゆかりの地と繋がるとは思いもよらず、感慨深い気持ちになった。

高田城址公園第1駐車場
無料

新潟にもあった爆安の殿堂|ラ・ムー上越北店で食料調達

中国地方のツーリングで大いに恩恵を受けたあの「ラ・ムー」が、なんとこの上越市に2店舗もあるらしい。 まさか新潟にまで進出していたとは…。

あのコスパ最強食料補給庫、今回の北陸旅でも活用できるかもしれない。

やってきたのは、お馴染みピンクの爆安殿堂「ラ・ムー 上越北店」。
「PAKU-PAKU」は、あいにく営業時間前だった。

100円たこやきのPAKU-PAKUは健在。10:00~開店

店内を物色する。
あらかたの定番商品は陳列されているものの地域差があるのか、お寿司は299円では買えない。
焼きカレーパンはなかった。

もうひとつある上越モール店に行ってみようか?
いやいや、本末転倒過ぎる…(笑)

今夜の食材を買い込むにはまだ時間が早すぎたため、日持ちのする携行食を中心に購入。
とはいえ、こんなところにも爆安スーパーが控えていたという事実は、実に心強い限りだ。

ラ・ムー 上越北店

国道8号を西へ|いざ、北陸富山の地へ

地下道モグッ太郎

さて、いよいよ本題の北陸に向けて出発だ。

国道8号を西へ。日本海の海岸線をなぞるようにバイクを走らせる。

国道8号 日本海沿いの快走路

そういえば昔、旅の帰りに台風に襲われ、激しい勾配と厳しいカーブに冷や汗をかいた難所がこの道にあったはずだ。だが、今走ってみるとこんなにも爽快な道だったか?と驚く。
青く広がる日本海を横目に眺めながら、優雅にワインディングを流していく。

途中に現れたのは「ヒスイ海岸」。
一攫千金を狙って巨大なヒスイを探し当てるのも悪くないが、あいにくそれほど時間に余裕のあるスケジュールではない。ここはぐっと我慢して先を急ぐ。

やがて「親不知(おやしらず)」という地域に差し掛かった。
海岸沿いにうねるグネグネとした連続カーブと急勾配。
「ああ、そうだ。あのときヒヤヒヤさせられたのはここだ」と当時の記憶が蘇る。

ここは抑えて走らないと。。

ふと気づくと、後ろから地元のライダーが追走してきていた。
迷わずスッと右手を上げ先を譲る。
追い抜きざま、そのライダーが片手で挨拶を返して走り去っていった。

ハンターカブに乗り換えて、自分のペースと愛車のポテンシャルを正しく理解できたのだろうか。
無駄にムキになることもなく、譲り合える心の余裕が持てるようになった気がする。

幾重もの続くカーブと難所を抜け、とうとう北陸最初の目的地である富山県へと入った。

富山県、到着!

めざす北陸一発目のツーリングスポットは、宇奈月の地だ。

バイクで巡る宇奈月観光

宇奈月ツーリングで立てた行程は下記だ。

とちの湯(バイクで行ける最奥の温泉)

宇奈月ダム

宇奈月ダム展望台

宇奈月駅(バイクで流し見)

宇奈月の十字石

調べたところ、宇奈月駅周辺に無料の駐輪場は見当たらなかった。
バイクと言えども容赦なく高額な駐車料金がかかるらしい。

ならば、バイクだからこそ行ける最端の温泉で湯に浸かり、バイクならではの機動力を活かして宇奈月の景色を堪能しよう――そう決めた。

バイクで行ける宇奈月最奥の秘境温泉|とちの湯
バイクで行ける最端の地 尾の沼公園の駐車場

黒部川に沿って山の方へと向かって走る。

幸い、125ccのカブでもスピードが落ちるほど急な傾斜ではなかった。
宇奈月駅から南へ向かうにつれ、車通りもだんだんと減っていく。

視界は徐々に川面を見下ろすダイナミックな渓谷へと変わり、写真や映像でよく目にする光景、
エメラルドグリーンの川に架かる鮮やかな赤い橋の景色が現れてきた。

なんという素晴らしい風景美だろうか。

やがて、道の最奥・最端へと到達。

そこはなんと、サルが悠々自適に練り歩く野性の王国だった…。
サルたちの鋭い眼光を横目に感じつつ、刺激しないよう控えめにバイクを駐輪する。

お目当ての温泉はすぐ先だが、道の端々に鎮座するサルの前を歩いて通過しなければならない。
まるで「不良に絡まれる中学生」のような腰の引けた面持ちで、そそくさと足を進めた。

到着したのは「とちの湯」

とちの湯

市営の公衆温泉らしく実に良心的な入浴料で、内湯と露天風呂を備えている。
そして、そこから見える景色はまさに絶景だった。

温泉の入口手前にて撮影

エメラルドグリーンに輝く川面と迫力ある山々が目の前にドーンと現れ、対岸の切り立った山肌にはトロッコ電車の線路がどこまでも伸びている。

トロッコの線路が山肌を伝っている

その絶景をみながら、じっくりと湯に浸かる。

しばらくすると、遠くから「ガタゴト」と列車の音が聞こえてきた。
音のわりに姿がなかなか現れないのは、かなりの低速で走っているからだろう。
やがて、山の陰から赤いトロッコ電車がゆっくりと顔を出した。
思わずテンションが上がり、湯船から立ち上がって眺めようとする。

…ん、待てよ? もし乗客が双眼鏡や望遠レンズでこちらを見ていたら、見知らぬ人々に自分のあられもない姿をさらすことにならないか?
ハッとして、おずおずと湯船に腰を下ろし、首だけをニュッと伸ばしてトロッコの通過を見送った。

午前中の早い時間帯だったが、風呂から上がる頃にはポツポツと日帰り客が増え始めていた。
バイクのところへ戻ると、あんなにたくさんたむろしていたサルの群れはいつの間にか姿を消していた。
サルたちにとって、私一人など恐れるに足らないちんけな存在だったのだろう、と苦笑いがこぼれた。

とちの湯
入浴料 510円

絶景!宇奈月ダム
宇奈月ダム 駐車場にて

温泉を後にし、行きで通り過ぎた「宇奈月ダム駐車場」へと向かう。

バイクを停めるやいなや、タイミングよくトロッコ電車がやってきた。
急いでカメラを構え、標準レンズでシャッターを切るものの…やはりこういうシチュエーションでは望遠レンズで引き寄せないと厳しい。撮れた画像に苦笑いする。

α6000 E PZ 16-50mm F3.5-5.6、ズームMAXにして撮影。ピント合わせられなかった…。

しかし、トロッコはともかく、この眼前に広がる景色といったらどうだ。なんと素晴らしいロケーションだろう。

高額な駐車料金を払ってトロッコに乗らずとも、バイクで巡るだけで宇奈月の美しさは十二分に堪能できるではないか。

駐車場から道を挟んだ向かい側に、宇奈月ダム本体が鎮座している。 吸い寄せられるように歩み寄ると、ゆったりと水を湛えるエメラルドグリーンのダム湖と、その反対側に広がるまさに「奈落の底」と呼ぶにふさわしい劇的な落差――対比する二つの表情が見れた。

ダム湖側
放流側。

しばらく眺めていると、バスでやってきた団体客が近くの建物へと吸い込まれていく。
併設された「宇奈月ダム情報資料館」という施設で、どうやら無料で見学できるようだ。

スリッパに履き替え、階段を上っていく。
途中、ガラス越しにダムの厳重な制御室を覗き見ることができた。
何より、風呂上りの夏場のツーリングで火照った身体に、冷房の効いた館内の空気がじんわりと身に染みる。

館内を散策していると、宇奈月ダムの「ダムカード」をゲットした。

宇奈月ダム ダムカード

危険だ。自分の場合こういうコレクション要素を一度手にしてしまうと、収集癖に火がつき、挙句の果てには「ダム巡り」が今後のツーリングタスクに強制追加されてしまう。
これはあくまで今回の「旅の記念」だと割り切ることにする。

宇奈月ダム駐車場
無料

サクッと立ち寄り|宇奈月ダム展望台
宇奈月ダム展望台

宇奈月ダムをあとにし、道すがら目星をつけておいた「宇奈月ダム展望台」へと向かう。
貴重な無料駐車スペースがあったため、そこにバイクを滑り込ませた。

ついさっきまで車通りなどほとんどなかったはずなのだが、バイクを停めた途端、どこからともなく観光バスが乗り付けてきて大勢の観光客が押し寄せてきた。絶妙にタイミングが悪い。

一見すると渡れそうな橋でもあるのだろうかと期待して近づいてみたが、何のことはない、遠くにダムを眺めるだけのシンプルな展望台だった。 しかも生い茂る草木で景色は遮られている。
直前に見た宇奈月ダムのダイナミックな景観と比べてしまうと、正直それを超えるほどのインパクトはない。

静かに風景を堪能できる雰囲気でもなくなったため、サッと写真を1枚だけ撮り、そそくさと退散することにした。

宇奈月ダム展望台
無料

衝動の寄り道|人混みをぬって間近で捉えたトロッコ電車
宇奈月駅に停車するトロッコ電車

見どころはあらかた巡り、ナビも最終目的地であるキャンプ場へとセットしていた。
しかし、どうしても「あのトロッコ電車を間近で見たい」という欲求が抑えきれなくなった。

誘惑に従い、ナビの指示を無視して宇奈月駅へと足を延ばす。 さっきまで走っていた静かな山道が嘘のように、駅前エリアに入った途端、溢れんばかりの観光客でごった返していた。

手軽にバイクを停められる場所がないことは事前に分かっていたため、ここは停めずにゆっくりとバイクで流す作戦に出る。

宇奈月駅の駅前に到着。

人混みの隙間から、お目当てだったあのトロッコ電車を間近で拝むことができた。
わざわざ寄り道した甲斐があったというものだ。しっかりとその姿を目に焼き付け、大満足で駅前をあとにした。

宇奈月駅

宇奈月の十字石…?
宇奈月の十字石

宇奈月駅をあとにし、今度は行きのルートとは反対側、黒部川の対岸を走る道路を使って山を下っていく。

道すがら、観光名所を示す看板が目に飛び込んできたため、思わずバイクを止めた。
「宇奈月の十字石」と書かれている。

一見消防署の広々とした駐車場。見渡してみる。 …で、どこにあるの?

大々的に看板を出している割には、駐車場の片隅にぽつんと石が立っているだけだった。

額縁のような立て札には大きく「十字石」と書かれているものの、いざ間近でじっくり観察してみても、正直なんとも印象が薄い。

拍子抜けしながら振り返ると、それよりも道路の真向かいに鎮座する重厚な変電所の建造物のほうが、遥かに力強く異彩を放っていて印象的だった。

こっちのほうが惹かれる風景だった

宇奈月の十字石

さて、ではキャンプ場へ向かいますか。

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【滞在編】どやまらんど明日キャンプ場滞在記|貴重体験極上の屋根下サイト

目的地のキャンプ場「どやまらんど明日(あけび)キャンプ場」までは、先ほどの十字石からバイクでわずか5分ほどの距離にある。

黒部川に架かる愛本橋を渡り、少し進むとナビは本線を外れて山側へと進路を誘導した。

坂道を上りきる手前、何やら古刹のような静かなお寺が現れる。

法福寺の山門

もうこの近くのはずだが…?と首を傾げながら進むと、道沿いから整然と墓石が並んでいるのが見えた。
まさか墓地裏手にあるキャンプ場なのかと一瞬焦ったが、そのまま奥へ進むと、一気に視界がパッとひらけた。

グラススキー場?

そこにはグラススキー場や温泉施設と思われる建物が点在しており、エリア一体がレジャー施設のような明るい雰囲気に包まれていた。
その敷地を通り過ぎた先に、お目当てのキャンプ場駐車場があった。

眼下に広がるのは、美しい青々とした水田風景。
さらに視線を遠くに向けると、うっすらと海が広がり、その先には陸地の影が見えた。
おそらく能登半島だろう。
あいにくの曇り空ではあったものの、十分に満足できる見事なロケーションだ。

さて、ここはバイクの乗り入れが可能と聞いていたが、サイトへと続くエントランスはなかなかの急勾配だ。
しかも、車道の中央には車止めがしっかりと嵌まっている。

まずは受付を済ませることにしよう。

バイクを停め、受付へ。

チェックイン|管理人さん直々のサイト案内と電柵迫るダートアタック

受付へ向かうと、明るく気さくな雰囲気の管理人さんが出迎えてくれた。
聞き覚えのある声に、事前の問い合わせで電話応対をしてくれた方だとピンとくる。

電話で確認していた通り、やはり下段サイトへのバイク乗り入れは可能とのことだった。

「サイトはどの辺りですかね?」と尋ねると、今度は年配の管理人さんが現地まで直接案内してくれることになった。

管理人さんのあとに続いて歩いていくと、場内を囲うように電気柵(電柵)が張り巡らされているのが目に入る。

場内を囲う電気柵

「これ、触るとビビッとくるから気を付けてね
「まさか、この辺りってクマが出るんですか?」
「山の方にはいるけど、この辺で出やすいのはイノシシかシカだね。あとはカモシカも出るよ」
「カモシカなら、遭遇してもちょっと嬉しいですね」などと会話を交わしながらサイトへと到着した。

この一段高いところが下段サイト

場内の舗装路からサイトへは段差があり、「このままじゃバイクで侵入できないのでは?」と聞くと、裏手に回るルートからアクセスできるらしい。

サイトの端には櫓(やぐら)が組まれたステージのような構造物があったが、現在は使われていないようだった。

下段サイトにある櫓。

サイトへ上がってみると、先ほど駐車場から眺めた景色よりもさらに標高が高く、眼下の絶景がよりよく見えた。

なかなかによいロケーション

「おお、ここが一等地ですか!?」 思わず声を上げると、管理人さんはニヤリと笑い、
「もっといい場所があるよ」とさらに上にある2段目のサイトへ案内してくれた。


「ここが一等地ですよ」

一番人気の中段15番サイト

案内された15番サイトから望む景色は、確かに圧巻の一言だった。

どうやらここが場内で一番人気の区画らしい。

素晴らしい眺望もさることながら、サイトの端には見事なしだれ桜が植えられている。
「ここは桜が見どころでね、お花見の時期も最高の場所なんですよ」とのこと。
場内には他にもたくさんの桜の木が植えられているらしい。

「今日は他に利用客もいないから、好きな場所を使っていいよ」
なんと、まさかの貸し切り「完ソロ」だった。 もうここに設営するしかない――そう決めた瞬間、パラパラと空から雨粒が落ちてきた。

慌てて天気予報アプリを開くと、なんと翌朝からは悪天候の予報。
せっかくの一等地だというのに、景色どころか初日から雨キャンプ確定か…。
まぁ、キャンプなんだから仕方ない。

すると、管理人さんが助け船を出してくれた。

「だったら、あっちの屋根付きの場所を使ってもいいよ。雨だと撤収も大変でしょう。他にお客さんがいるとダメだけど、今夜はあなた一人だからね」

指さされた先を見ると、そこは「多目的広場」と呼ばれるスペースだった。

普段はバーベキューやイベント等で使われる場所らしい。
納車からまだ一回も雨に晒したことがないバイクとギアをズブ濡れにしなくて済みそうだ。
ありがたくご厚意に甘え、その屋根下を使わせてもらうことにした。

バイクへ戻り、教わった進入経路を改めて確認する。
駐車場横のゲート扉から一度場外の管理用通路を伝い、キャンプ場の一番上に位置する裏ゲートから再進入するルートだ。

いざ進入を開始する。

最初の扉を開けてもらい、バイクで足を踏み入れる。
道はすぐさまゴツゴツとした石が転がるダート(未舗装路)へと変わり、リアキャリアの荷物をガタゴトと揺らしながら坂を登っていく。

車の轍(わだち)の真ん中にこんもりと草が生えていたため、「こっちのほうが走りやすいか?」と乗り上げた途端、バランスを崩しかけた。

あぶね…、すぐ横には電気柵がある。

キャンプ場側には電気が通る電柵が迫っている。
絶対にそちら側へ車体を倒すわけにはいかない。
まるでアクション映画のワンシーンのような緊張感とスリルを味わいながら、どうにか上部のゲート前まで辿り着いた。

しかし、足元は斜面になっていて平らな場所がない。
スタンドを立てて足を地面につけると、砂利でズリッと滑った。
「あぶなっ!」とヒヤリとしながら踏ん張る。
ゲート扉の両端にもしっかりと電柵が迫っているため、感電しないよう恐る恐る手を出して扉を開けた。

把手は通電してませんでした。

無事に場内へ進入。

再びガタゴトとダートを進む。

すると、いつの間にか先回りしてくれていた先ほどの管理人さんが、笑顔で誘導してくれていた。
足元のラインを慎重に吟味しながらバイクを滑り込ませ、ついに本日の寝床へと到着した。

場内進入完了

まさにコンシェルジュ!管理人さんと巡る場内ツアー

無事に屋根付きの舞台(多目的広場)へと到着すると、管理人さんはそのまま場内を詳しく案内してくれた。

炭窯をみせてもらった

広場の一角には立派な炭窯があり、なんと管理人さん自ら炭づくりをしているのだという。
炭焼きが想像以上に過酷な作業だということは知っていたが、火を入れてから窯を締めるまで、丸3日3晩付きっきりで番をしなければならないそうだ。

堆積した草の中でカブトムシの幼虫を育てているのだそう

さらに電柵の向こう側を指さしながら、「あの奥には獣捕獲用の箱罠を仕掛けてあるんだよ」と教えてくれた。 当然、狩猟罠は誰でも仕掛けられるわけではなく、しかるべき狩猟免許や資格が必要である。

電柵の向こうには箱罠が仕掛けられているという。

炭づくりといい害獣駆除といい、キャンプ場を維持・運営していく上でこれ以上ないほど実践的なスキルばかりだ。

サラリーマン生活だけでは決して得られないこうした技術や知識。
定年後の人生でこれらを身につけ、活かすことができれば、どれほど豊かで面白いセカンドライフを謳歌できるだろうか――と、思わずしみじみ感じ入ってしまった。

これも管理人さんが作ったいう焚き火台。コンクリートの容器を切断、溶接して仕上げたそうな。凄い。

それにしても、ご年配とお見受けするのに、この蒸し暑いなか自分と一緒に汗を流しながら、隅々まで実に丁寧に説明してくれる。

おかげで、ただの散策にとどまらない「ガイド解説付きの特別な場内ツアー」を体験することができた。
まるで賃貸物件の内覧に立ち会ってくれるコンシェルジュのような手厚いもてなしに、心から感謝の念が湧き上がった。

雨をしのぐ極上サイト|ウイングドームの既視感

管理人さんにお礼を言い、自陣へと戻る。

多目的広場内

改めて見渡してみると、しっかりと高く組まれた屋根があり、地面は固く踏み固められた土となっている。

きれいに清掃されておりゴミひとつ落ちてはいない。

場内にはバーベキュー用のU字溝と、それを取り囲むように長椅子が整然と並べられていた。

壁に当たる横側には帆布のシートが掛けられており、その白いキャンバスには地元の子供たちが描いたと思われる賑やかな絵が踊っていた。

たまにはこういう全天候型の屋根下で設営するのも、特別感があって悪くない。

ふと、このロケーションにどこか同じような場所があったことを思い出す。

そうだ、過去に訪れた広島県三次市にある『いこいの森弘法山』のウイングドーム(全天候型キャンプサイト)にそっくりだ。

『いこいの森弘法山』のウイングドーム

あの時はペグが簡単に折れ曲がるほどの激硬な地面に苦戦したが、ここはどうか。
ペグを打ち込んでみると程よい硬さでスムーズに入り、ホッと胸を撫でおろした。

ペグを打ちは可能。

ペグの入りを確認し、手早く設営を済ませる。

設営完了

まずは新潟のラ・ムーで仕入れておいたおむすびにかじりつき、「ふぅ」とひと息ついて休憩に入る。

しかし、それにしても暑い。汗が一気に吹き出し、喉の渇きを潤すための冷たい氷が欲しくてたまらなくなった。 それに、せっかく富山までやってきたのだ。何としても今夜は地物の旨い魚を食わねば収まりがつかない。

再び管理棟へと足を運び、管理人さんに近くのスーパーの場所を尋ねてみる。
すると、「買い出しに行くなら、ついでに愛本橋も見ていくといいよ」と近郊の見どころを教えてくれた。

愛本橋とは
かつて山口県の錦帯橋、山梨県の猿橋と並び「日本三奇橋」の一つに数えられた歴史ある橋。現在は赤く美しいアーチ橋として黒部川に架かっている。

あぁ、さっきここに来るときに渡ったあの赤い橋か、と思い返したその瞬間、
ふとその橋の名前から、ある有名人の名前が頭に浮かんだ。

愛本橋(あいもとはし)まさか…、逆から読んだら「橋本愛」じゃないか!?
これは大発見!とばかり興奮してしまったが、年配の管理人さんが昨今の芸能スキャンダルなど知る由はなく、その発見を共有することはできなかった…笑。

地場スーパーの買い出しと周辺観光の回収

管理人さんに教えてもらったスーパーを目指し、バイクを走らせる。
一面に青々とした田んぼが広がる、のどかで心地よい道だ。

時計の針は18:00を回ったところ。

入善ショッピングセンターコスモ21に到着

そろそろ夕方の値引きシールが貼られる頃合いでは…?と下心を抱きつつ、まっすぐ鮮魚・寿司コーナーへと向かった。 売り場には見るからに旨そうな寿司がずらりと並んでいたが、期待に反してお値段は少々強気の設定だ。

ならば、刺身はどうだ?と棚を物色していると、「フクラギ」と書かれた刺身が目に留まった。

見た目はブリのようでもあり、サワラのようでもある。身の色艶も良く、なにより美味そうだ。
今夜のアテはこれに決定した。
旅先で初めて出会う魚の名前に触れ、それを手に取る。
これこそがローカルスーパーを巡る旅の醍醐味だ。刺身に合わせてカップ酒も買い込み、買い出し完了。

スーパーマーケットバロー入善店

キャンプ場へ戻る道すがら、眼前にそびえるはずの立山連峰に視線を送ったが、厚い雲に覆われていて残念ながら晴れやかな雄姿を拝むことはできなかった。

立山連峰方面

さて、周辺の取りこぼした観光スポットを回収しに行こうか。

まず向かったのは、先ほど名前でひと盛り上がりした「愛本橋」だ。

愛本橋

黒部川にドシッと架かる真っ赤なアーチ橋。特段何の変哲もない橋ではあるが、しっかりと橋の名前が刻まれたプレートと一緒に記念写真を一枚収め、次のスポットへ向かう。

愛本橋

続いて訪れたのは、このエリアの名所として知られる『明日(あけび)の大桜』だ。

明日(あけび)の大桜

実はキャンプ場へ向かう道中で見かけた、あの古刹(法福寺)の境内に鎮座していた。

案内板によると富山県の指定天然記念物だそうだが、一体どれほどの樹齢重ねてきたのだろうか。
一般的にソメイヨシノの寿命は60年程度と言われているが、ゴツゴツと力強く波打つ樹肌を見る限り、明らかにただ者ではない雰囲気を醸し出している。
「エドヒガン」という品種で、非常に長寿な桜なのだそうだ。春にまた訪れてみたいものである。

明日(あけび)の大桜

さて、寄り道も済んだことだし、いよいよキャンプ場へ戻って今夜の宴を開始するとしよう。

フクラギの美味さと富山の鮮魚魂に唸る

再びキャンプ場へと戻り、お待ちかねの宴の準備にとりかかる。

屋根付きなうえに、立派なテーブルと椅子まで完備されているこの多目的広場。

暑い…。お、テーブルに穴があるぞ。

ふと見ると、テーブルの中央にパラソルを挿すための穴が開いていた。そこに持参したポータブル扇風機を差し込んでみると、驚くほどジャストフィット。自画自賛したくなる完璧な快適環境の完成だ。

真ん中に差し込んだポータブル扇風機がジャストフィット。扇風機付きのテーブルが完成した。

初日からこんなに至れり尽くせりの環境で過ごしてしまうと、明日以降の泥臭いキャンプ生活に戻れるのか、余計な心配すら込み上げてくる。

テーブルの上に、本日の戦利品をずらりと並べる。

まずは注目の「フクラギ」の刺身だ。

「フクラギ」:フクラギとは、北陸地方におけるブリの若魚の呼び名である。

あっさりとした味を想像しながら一口運んでみると、これが良い意味で裏切られた。
しつこさを一切感じさせない、上品な脂が乗っていて、うまい。
すかさずカップ酒を流し込む。思わずぐいぐいと酒が進んでしまう絶品の組み合わせだった。

フクラギにあわせカップ酒で晩酌

そして何より驚かされたのが、刺身の脇に添えられたツマのクオリティだった。
切り身のドリップや臭みが全く移っておらず、生臭さゼロで真っ白な状態を保っている。
普段なら生ごみを出さないようザルで一度洗ってから食べるのだが、これはそのままポリポリと美味しく食べられた。
食べ終わって現れたのが、トレーに敷かれていた保冷剤。

なるほど!保冷剤が敷かれていたからツマも新鮮にたべれたのね!これは発見。

「魚を一番旨い状態で客に届けたい」というお店の気配りだろうか、さすが魚の街・富山だと唸るほかなかった。

続いて惣菜のポテトサラダとコロッケを平らげると、すっかりお腹も満たされた。
大満足の宴を終え、明日の雨に備えて早めに休むとしよう。

頭上にあるライトの周りをブンブンと賑やかに飛び回る虫たちに「本日解散です」と告げ、明かりを消した。

就寝します

電柵を越えて現れた神聖な珍客

テントの隙間から差し込む薄明かりを感じながら、ゆっくりとジッパーを下ろす。

どうやら心配していた雨はまだ降っていないようだ。 手元の温度計を確認すると、現在の気温は27.3℃。ちなみに昨日の最高気温は35.1℃まで上がっていた。

朝6:30の気温は27.3℃。最高気温は35.1℃。最低気温の11.9℃?このくそ暑いさなか、いつそんなことがあった??

口に歯ブラシを突っ込み、顔を洗いに炊事棟へ向かおうとしたその瞬間、視界の端で何かがモゾモゾと動く気配を捉えた。

「ん…?」

目を凝らしてよく見ると、なんとそこに一頭のカモシカが佇んでいた。

まさかこんな至近距離で目撃できるとは夢にも思わなかった。
タヌキやイノシシとは違い、カモシカにはどこか神聖で異彩を放つ独特の「特別感」があるのは私だけだろうか。

こちらと目が合った瞬間、カモシカはピタリと動きを止める。 ふっと目を逸らすと、ひょこひょこと歩を進める。
早朝のキャンプ場で、まさかの「だるまさんが転んだ」が繰り広げられた。
何度かその静かな攻防を楽しんだが、万が一にも逆上して飛びかかられては堪らない。
ここは潔く負けを認め、静かに見送ることにした。

気を付けて帰れよー

それにしても、場内は電柵と箱罠が張り巡らされた厳戒態勢のはずだ。一体どこから潜り込んできたのだろう。 もしかして、正面口から堂々と入場してきたのだろうか??

快適な屋根とベンチの恩恵を受け、撤収作業は拍子抜けするほどサクッと完了した。
懸念していた雨はまだ降り出す気配がない。

明日キャンプ場 多目的広場 撤収の儀

昨夜とは別の管理人さんへ挨拶を済ませ、ハンターカブのエンジンをかける。
ステップに足を乗せ、次の目的地である富山平野に向けてバイクを飛び出させた。

次は能登半島を目指す!
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明日キャンプ場 まとめ

今回の滞在では、管理人さんのご厚意により屋根付き多目的広場を利用させていただきました。

しかし、これは「完ソロ(貸切状態)」かつ「悪天候」という特殊な条件下において、現場で柔軟な特別措置を講じていただいた結果です。通常は利用できる場所ではありませんので、その点には十分ご注意ください。

黒部市明日キャンプ場は、1区画1泊730円という圧倒的なリーズナブルさでありながら、水回りや設備環境が非常に高く整った高コストパフォーマンスなキャンプ場でした。

最後に、実際に利用して感じた「良かった点」と「留意すべき点」を整理します。

良かった点

  • 圧倒的なコストパフォーマンス

    持込テント1区画730円薪1束300円というお手頃な価格でありながら、清掃の行き届いたウォシュレット付き水洗トイレや、使い勝手の良い屋根付き炊事棟が備わっていました。
    そしてライダーに嬉しいバイクの特権、下段サイトのバイク乗り入れが可能。
    またゴミ袋も一般家庭同様の良心的な価格で廃棄できるのがポイントが高いと思いました。

  • 徹底された獣対策(電柵・箱罠)

    昨今、全国的に熊などの野生動物の出没がニュースになっていますが、このキャンプ場は敷地周りに電気柵や箱罠が設置されるなど、獣避けの安全対策が徹底されています。
    山間のロケーションでありながら、安心してキャンプを楽しめる環境整備が整っていると感じました

留意すべき点

  • 柵外への不要な立ち入り厳禁

    徹底した獣対策が施されている反面、電気柵の外側へ不用意に立ち入るのは大変危険です。
    イノシシなどを捕獲するための仕掛け罠が存在する場合もあるため、指定されたサイトエリア外や柵の外へは絶対に立ち入らないよう注意してください。

  • サイトまでの導線・車両運行の注意

    下段サイトへの車両乗り入れができるのは大変魅力的ですが、サイトまでの進入路はそれ専用に舗装・整備されているわけではありません。傾斜やダート(未舗装)が含まれるため、特にバイクでの走行や停車時には慎重な操作が求められます。

おわりに

管理人さんがとても丁寧かつ熱心に富山県の魅力を教えてくださり、この土地への興味がより一層深まりました。

宇奈月温泉からも近い立地のため、ついそちらへ足が向きそうになりますが、魚津市の蜃気楼、滑川市のホタルイカなど、ここを含む周辺の新川エリアには魅力的なスポットが溢れています。

中でも特に興味を惹かれたのが、朝日町で楽しめる「春の四重奏」のお話です。
残雪に輝く北アルプスの山々を背景に、桜並木、チューリップ、菜の花が同時に咲き誇る絶景が広がるそうです。


駐車場から見下ろす富山湾の風景を一緒に見ながら、

「このあたりの小学生が描く絵にはね、田んぼがあって、海があって、その上に家を描いて空を描くんだよ」

管理人さんが語ってくださったその言葉が、とても深く心に残りました。

明日キャンプ場の場内も、春になると桜が咲き乱れるとのことです。

次回はぜひ、彩り豊かな春先の季節に愛車とともに再訪できればと思います。

〜北陸キャンプツーリング#2へつづく〜

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