中国一周キャンプツーリング、最終日。
雨に襲われた蒜山でのキャンプを終え、次なる宿営地の目処は付けたものの、
どうしても気になって立ち寄った無料キャンプ場がある。
それが大山・蒜山エリアのすぐ東、大山の雄大な裾野に位置する
鳥取県倉吉市の「大山池野営場」だ。
近年、山陰周辺の無料キャンプ場(元柳茶屋など)の事情が大きく変わるなか、
ここは果たして、キャンプライダーの次なる無料野営地・受け皿となり得るのか?
本記事では、バイクキャンパー目線でロケハンしてきたその実態を、設備やサイトの様子と共に見極め、レポートします。
大山池野営場の魅力とは

予約不要・無料・横付け可(条件付き)
スケジュールに縛られない自由な旅を好むライダーにとって、「予約不要・無料・バイク横付け可」という3連コンボが揃ったこの場所は、これ以上ない好適地です。
天候やルートの進み具合に合わせ、風任せで当日の宿営地を決められる圧倒的な気楽さは、ロングツーリングの強い味方。チェックイン・アウトの時間に追われることもありません。
さらに特筆すべきは、サイト内にバイクをそのまま横付けできる点。
(※ただし、横付け可能なのは平日や閑散期のみ)
しかも、ここはただの「放置された空き地」ではないのが最大の強みです。
無料でありながら、場内には簡易水場、道路を挟んだ向かい側には公衆トイレと、最低限のインフラがしっかりと整っています。
万が一、休日や繁忙期と重なってサイト内への乗り入れが制限されたとしても、すぐ目の前に駐車場がありそれほど距離もありません。
大山・蒜山へのアクセスと周辺の利便性

大山池野営場は、蒜山(ひるぜん)から鳥取県側へと抜ける「犬挟(いぬばさり)峠」を下りてすぐの場所に位置しています。
大山環状道路や蒜山高原へ繋ぎやすいポジションにあるため、
周辺のワインディングを走った後の宿営地としてルートに組み込みやすいのが特徴です。
また、山間の静かなロケーションでありながら、周辺の生活インフラへのアクセスも良好です。
山間の静かなロケーションですが、周辺の利便性は以下の通り絶妙な距離感にあります。
- 10分圏内にコンビニと温泉あり
- 食料調達に重点を置く場合は、15分〜20分北上すればスーパーあり
純粋にキャンプ地単体としての環境だけでなく、「走って良し、泊まって良し」の導線が完璧に揃っており、ツーリングの拠点・宿営地としてこれ以上ないポテンシャルを秘めています。
池を眼下に望むロケーション
サイトの目の前には大山池が広がっており、遮るもののない開放的な視界が確保されています。
無料の野営地でありながら好ロケーションに恵まれています。
大山池野営場 基本データ
| 訪問年月 | 2025/10 | 曇り |
| 名称 | 大山池野営場 | 倉吉市関金支所H.P |
| 場所 | 〒682-0403 鳥取県倉吉市関金町松河原 | 0858-45-2111(※関金支所) |
| 業態 | 市営 | 倉吉市(関金支所) |
| ロケーション | 広場、池 | |
| サイト | フリーサイト | 芝 硬 □□□□□ 柔 |
| サイト規模 | 小規模 | 約10張程度 |
| 車両乗り入れ | 閑散期であれば可 | ※繁忙期不可 |
| 営業期間 | 通年 | |
| 予約方法 | 不要 | |
| in / out | フリー | |
| 料金(利用プラン) | 無料 | |
| 駐車料金 | なし | |
| 設備 | 管理棟:なし | |
| (売店:なし) | ※無人の梨販売所あり、自販機 | |
| トイレ:あり | 水洗洋式、和式 | |
| 風呂:なし/シャワー:なし | ||
| 水場:あり | ||
| 灰捨て場:なし | 持ち帰り | |
| ゴミ捨て場:なし | 持ち帰り | |
| その他施設 | 東屋、海洋センター、遊歩道 | |
| 直火の可否 | 不可 | |
| 薪の販売 | なし | ― |
| 薪の現地調達状況 | 難 □□☑□□ 易 | |
| 電波状況 | 普通 | 楽天モバイル |
| 客層(主観) | ソロ☑□□□□ ファミリー | |
| 獣・虫 | ― | |
| 買い出し | スーパーマーケット | まるごう 西倉吉店 約10.1km |
| コンビニ | ローソン 関金温泉店 約5.0km | |
| 温泉 | 関金温泉 せきがね湯命館 | 約4.8km |
大山池野営場 予約はどうする
事前予約は不要です。
当日現地へ直接向かい、設営場所が空いていればそのまま無料で利用できます。
大山池野営場 サイトの様子


主な特徴(共通事項)
- サイトタイプ: フリーサイト、状況によりオートサイト
- サイト規模: 適正張数は10張程度
- エリア:池側の1エリア
- ロケーション: 広場、池
- 地面の状況: 草地
- 車両乗り入れ: 閑散期であれば可
- 焚き火ルール: 直火不可
サイトの様子と利用ルール

現地は外周道路と大山池(沼)の間に挟まれるように、細長く整備された草地のフリーサイトです。
適正張数はソロテントで10張程度とコンパクトで、全体が1エリアのみで構成されています。

地面はきれいに草が刈られて管理されていますが、奥へ行くほど傾斜や細かな起伏が点在しているため、バイクを横付けして完全にフラットに設営できる有効面積は見た目以上に限られます。

利用の際は、看板に明記されている駐車区域以外であれば自由に設営が可能です。
ただし、テントの設営にあたっては「周囲と2m以上の間隔を空けること」というルールが明示されています。
また、場内には何かを示すかのように丸太が点々と配置されており、これがレイアウトの目安として機能している形跡が見られます。

なお、全面直火は禁止されているため、火を扱う際は焚き火台と焚き火シートの持参が必須です。灰や消し炭、ゴミはすべて持ち帰るのがここのルールです。
唯一の絶景ポイント

場内で最もロケーションが良いのは、沼側の駐車禁止区域のすぐ隣に位置する一画です。
ここだけ周囲と比べ土台のように一段高くなっており、視界を遮る低木や障害物がありません。
水辺を間近に見下ろしつつ、抜け感のある眺望を最もダイレクトに確保できるベストポジションと言えます。
大山池野営場 施設の様子

前述のとおり、無料でありながら場内には簡易水場が設置されており、道路を挟んだ向かい側には公衆トイレがあります。最低限のインフラがしっかりと整っているため、野営場としては十分な利便性が確保されています。
水場

水場はサイトへ乗り込む動線の先に設置されています。
位置的に設営禁止区域となっているため、特定のキャンパーに独占される心配がなく、
誰でも利用しやすい配置です。
設備としては、公園によくあるタイプの水飲み用、下に通常の蛇口が備え付けられた水道となっています。
トイレ

トイレはキャンプ場内にはなく、道路を挟んだ駐車場に隣接する公衆トイレを利用します。
設備は水洗式で、洋式と和式の便座がそれぞれ用意されているほか、男女別のほかにバリアフリートイレも併設されています。
きれいに清掃されており、手洗い場には大きな鏡、そして泡石鹸まで常備されているのには驚きました。


なんと泡石鹸が備え付けられている。

無料の野営地でありながらトイレットペーパーが予備までしっかりと常備されているのは、
利用者にとってたいへん嬉しいポイントです。
駐車場

駐車場はキャンプサイトと道路を挟んだ向かい側に位置しています。
ここにはトイレが併設されているだけでなく、自動販売機や、梨の無人販売所も設置されていました。


その他施設:東屋(展望台)

場内の設営禁止区域(池側)には、屋根を備えた東屋が設置されています。
ここは大山池の遮るもののないパノラマを一望できる絶景の展望台となっており、
穏やかな沼畔のロケーションを最も美しく見渡せる特等席です。
また、ここからはトイレットペーパーの件でも触れた「B&G海洋センター」がすぐ隣にあるのも確認できます。

内部には木製のベンチが備わっているため、ツーリング中の急な雨をしのぐ避難場所としてはもちろん、キャンパー同士が静かに交流を深めるコミュニティスペースともなりそうです。

【まとめ】鳥取西の無料野営地ならここだ!大山池野営場が最適と確信した理由

鳥取西エリアの無料野営地としての最適地
結論として、鳥取県の西部エリアで無料の野営地を求めるのであれば、
ここが文句なしの最適地であると確信しました。
実は存在をチェックしていながらも、当日の野営地としては候補に外していました。
それは、大山や蒜山でのキャンプを経て、鳥取を東へと横断していくルートにおいて、
絶妙にタイミングが合わなかったということが理由の一つです。
一番のネックになっていたのは、道中で出会ったキャンパーから
「あそこ(大山池)は電波が入らない」という情報を得たからでした。
無料野営地で圏外となれば、頭に浮かぶのは薄暗く鬱蒼とした山奥。
ソロツーリングにおいて、万が一のトラブルの際に外部との連絡手段が断たれることは大きなリスクを抱えることになりかねません。
ところが、実際に現地へ乗り込んでみるとどうでしょう。 拍子抜けするほど拓けた、
明るく開放的なロケーションが広がっていました。
しかも電波に関して言えば、「楽天モバイル」という最弱キャリアでさえ、何の問題もなくアンテナが立っています。
やはり、キャンプ場は自分の目で確かめるまでわからない、と実感しました…。
ロケハンを経て確信した、野営地としての実力
さらに、最低限必要なライフラインも整っていました。
水を汲んだり、食器をゆすいだりできる簡易水場があり、トイレに関しては洋式便座を備えているだけでなく、万が一のペーパー切れでもすぐに駆け込める補充先(B&G海洋センター)が後ろに構えているという安心感は非常に大きいです。

下見に訪れたこの日、サイトにはすでに2組のソロキャンパーがいましたが、いずれも車を横付けして思い思いにキャンプを楽しんでいました。
「はて、ここはオートサイトか?」と調べてみたところ、ゴールデンウィークなどの繁忙期は場内への車両進入が禁止になるものの、平日の閑散期であれば乗り入れが可能なようです。
万が一、繁忙期に訪れて駐車場からの搬出入になったとしても、それほど苦になる距離感ではありません。
逆に、これだけの環境を無料で利用させてもらえる価値を考えれば、道を挟んだ駐車場から荷物を運ぶ手間など、まさに「補って余りあるほどの恩恵」だとも思えます。

視界が完全に抜ける絶景ポジションは池側の1箇所だけですが、そこが取れずとも十分に満足できるロケーションです。
気になった点として、訪問した季節柄、場内に落ちている銀杏の独特な臭いがありましたが、こればかりは時期的なものなのでやむを得ないでしょう。
むしろキャンパーであるならば「採って燻って肴にする」くらいに、気持ちをポジティブに変換したいところです。

また、「予約不要」というメリットの反面、繁忙期の混雑具合がどれほどカオスな状況になるのかは、実際にこの地に設営して一晩過ごしてみないことには流石に分からない部分でもあるので、
再訪した際には改めてレポートしたいと思います。
下見を終え、バイクで引き上げる道中に、強い確信を得ました。
かつて鳥取のド定番だった「柳茶屋キャンプ場」が有料化された今、
行き場を失って無料野営地を求めるキャンパーにとって、その受け皿になってくれると太鼓判を押せるキャンプ場でした。



