中国一周キャンプツーリングもいよいよ第6夜。
舞台は山口県から、次なる目的地・島根県へと移ります。
今回目指したのは、以前からずっと走ってみたかった山陰と山陽の真ん中――まさに「中国地方の背骨」にあたる山あいのエリア。
しかし、旅の大きな課題として立ちはだかったのが「連休初日」というタイミングでした。
どこも満場でキャンプ難民になるかもしれない…。
そんな不安を抱えながらダメ元で電話してみたところ、はたして結果はあっさり予約OK!
えっ、まさかここ、とんでもない穴場なのでは…?
その予感は的中。
実際にバイクを走らせて向かった先には、1泊500円(バイク乗り入れ+500円)という圧倒的なコスパを誇り、連休中とは思えない静寂が広がる、まさにソロキャンプライダーにうってつけの隠れ家空間が待っていたのです。
本記事では、この「枕瀬山キャンプ場」の徹底レポートと、実際に一晩利用して感じた実感を詳しくご紹介。さらに、前泊したキャンプ場からこの地へと至るツーリングの様子も合わせてたっぷりとお届けします!
枕瀬山キャンプ場の魅力とは
- 【穴場】連休でも静寂を保つ隠れ家感
- 【コスパ】1泊ワンコインの破格スペック
- 【ロケーション】青野山と山口線を見下ろす絶景の高台
【穴場】連休でも大混雑を避けられる隠れ家感

高規格なオートキャンプ場のようにファミリー層でごった返すことがなく、全国的な知名度も控えめなため、大型連休でも大混雑を避けられます。
夜間は非常に静かで、ソロライダーやベテランキャンパーが、静かに自分だけの時間を堪能できる「隠れ家」のようなロケーションです。
【コスパ】1泊500円+バイク横付け500円の圧倒的安さ

基本の利用料は1泊わずか500円(※100円/人+テント1張400円の場合)。
さらにライダーにとって最重要スペックであるサイト内への横付けを足しても、合計1,000円という破格の安さです。
【ロケーション】「青野山」と「JR山口線」を見下ろす絶景、天文台も隣接

標高約200mの高台からは、美しい稜線を持つ名峰「青野山」を一望できます。
さらに眼下にはJR山口線が走っており、山あいを抜ける列車やSLを特等席から見下ろせるため、鉄道マニアには垂涎(すいぜん)の立地。
すぐ近くには「日原天文台」があり、夜は満天の星が広がる天体マニアおススメの環境です。
条件が良ければ、早朝に美しい朝霧(雲海)が広がる幻想的な景色にも出会えます。

枕瀬山キャンプ場 基本データ

| 訪問年月 | 2025/10 | 晴/晴 |
| 名称 | 枕瀬山キャンプ場 | 枕瀬山キャンプ場公式H.P |
| 場所 | 〒699-5207 島根県鹿足郡津和野町枕瀬 | 0856-74-1143 |
| 業態 | 公営 | 管理委託 ㈱津和野開発 |
| ロケーション | 山間、高台 | 枕瀬山森林公園内 |
| サイト | フリーサイト(追加費用でオート) | 芝 硬 □□□■□ 柔 |
| サイト規模 | 中規模 | 20程度 |
| 車両乗り入れ | 可※有料 | 無料駐車場隣接 乗入:バイク+500円/車1,000円 |
| 営業期間 | 通年 | 11月~3月末は閉園 |
| 予約方法 | TEL | 0856-74-1143 |
| in / out | in 9:00~17:00/out ~11:00 | ※チェックアウト時間は厳守 |
| 料金(利用プラン) | 500円 | テント1張、バイク1台、ソロ利用 |
| (内訳) | 入園料 | 100円/名 |
| サイト使用料 | 400円/1張 | |
| 駐車料金 | なし | |
| 設備 | 管理棟:あり | 9:00~17:00 |
| (売店:あり) | 薪のみ | |
| (レンタル:あり) | テント、七輪、飯盒 | |
| トイレ:あり | 仮設トイレ:汲み取り洋式 | |
| 風呂:なし/シャワー:あり | 200円/3分 | |
| 炊事棟:あり | ||
| 灰捨て場:あり | ||
| ゴミ捨て場:なし | ||
| その他施設 | 東屋、バンガロー、BBQ | |
| 直火の可否 | 不可 | 要 焚火台&焚き火シート |
| 薪の販売 | あり | 400円 |
| 薪の現地調達状況 | 難 □☑□□□ 易 | |
| 電波状況 | 弱い | 楽天モバイル |
| 客層(主観) | ソロ ☑□□□□ ファミリー | |
| 獣・虫 | クマ、サル、イノシシ | ※クマ目撃情報あり |
| 買い出し | スーパーマーケット | まごころ市場にちはら 約1.8km |
| コンビニ | ローソン・ポプラ 鹿足日原店 約3.8km | |
| 温泉 | 道の駅 津和野温泉なごみの里 | 約14.4km |
枕瀬山キャンプ場 予約はどうする
基本は「電話予約」が必須
ネット予約は導入されていないため、事前に電話での連絡が必要です。これが、直前のネット検索に引っかかりにくく、連休初日でも大混雑を回避できる理由にもなっています。
空きがあれば「当日飛び込み」もOK!
空きがあれば「当日飛び込み」もOKのようです。
ただし、向かう前に必ず一本電話を入れること。
「今から向かって空きはありますか?」と事前に必ず電話確認を入れるのが、旅人としてのマナーであり確実な拠点確保の方法です。
枕瀬山キャンプ場 サイトの様子

主な特徴
枕瀬山キャンプ場のキャンプサイトの主な特徴は、以下の通りです。
- 【サイトタイプ】:フリーサイト
- 【ロケーション】:広場、山間、高台
- 【サイト規模】:1面のみ(約20張り程度)
- 【地面の状況】:芝
- 【乗り入れ】:追加費用にてオートサイト可
実際のサイトは、山を登りきった高台にぽつんと広がる、1面だけのこじんまりとした芝生の広場。
広大すぎるキャンプ場のように場所選びに迷うこともありません。
自然の静寂さと適度な開放感が同居する、まさに「大人の隠れ家」と呼ぶにふさわしいロケーションです。
設営の適正キャパシティは、ソロテントをのびのび張って20張り程度という絶妙な規模感です。

基本はフリーサイトですが、バイクなら追加で500円を支払うだけで、サイト内への乗り入れが可能になります。
愛車をテントに横付けし、旅の相棒を眺めながら焚き火を楽しむ贅沢なオートキャンプスタイルが、驚くほどの低価格で実現します。
ソロライダー必見!実践設営アドバイス
実際に利用したからこそ分かる、枕瀬山キャンプ場を過ごすための3つの攻略ポイントを目的別で紹介します。

① 「絶景場所」はただ1点!独立した水場付きの特等席

青野山がそびえる南西側の一辺は斜面になっており、高台地形ですが、基本的には植え込みや林が視界を遮っています。



そのため、「眼下の山口線と正面の青野山を一望できる絶景ビュー」のベストポジションは、
唯一視界がパッと開けたバンガロー横のわずか1箇所のみです。

さらに、この場所には独立した専用の水場まで備わっており、利便性も含めて文句なしのベストポジションです。

もしここを確保できたら、一斉に他のキャンパーの妬みを買うことになるでしょう…w。
② 駐車場隣を狙えば、追加費用なしで「ほぼオートサイト」

できるだけコストは抑えたい…、という場合は、無料の駐車場に隣接したエリアに設営するのが賢い選択です。
サイト全体がコンパクトな1面だけという特性を活かし、駐車場にバイクを停めてすぐ真横の芝生にテントを張れば、追加の乗り入れ費用を支払う必要はなくなります。
実質ワンコイン(500円)のまま「ほぼオートサイト」状態が作れる、超高コスパな裏ワザ的ポジションです。
③ 日差しを避けるなら、青野山側の木陰を狙え

遮るもののない高台にあるため、日中はサイト全体に直射日光が降り注ぎ、日差しを遮れる場所がほとんどありません。
そこで狙い目となるのが、青野山側(斜面側)にわずかに木陰を作ってくれる2箇所ある木の下です。
この木陰の下、かつ駐車場に近いエリアに陣取ることができれば、西日のきつさを和らげつつ、愛車へのアクセスも良い快適性を極めた設営拠点が完成します。
タープを持たない軽量積載のソロライダーには、特におすすめの戦略です。
枕瀬山キャンプ場 施設の様子
枕瀬山キャンプ場は、十分な設備がコンパクトにまとまっています。
サイトが1面のみという特性上、どこに設営しても各設備へ程よくアクセスできるのが嬉しいポイント。
さらに、個室タイプのコインシャワーが比較的安価で利用できるのも大きな魅力です。

枕瀬山キャンプ場 管理棟

サイトのすぐ隣に管理棟があります。
- 営業時間: 9:00〜17:00
- 受付の流れ: 窓口で予約した氏名を伝えると、事前に電話で伝えた内容がすでに書類にまとめられています。口頭での本人確認(照合)を行い、利用料金を支払い受付完了です。
- 販売品: 販売は薪のみとなっていますが、1束400円とキャンプ場としては安価な価格設定です。

枕瀬山キャンプ場 炊事場

炊事場は、管理棟のすぐ前に1箇所設置されています。
コンクリート造りで、庇(ひさし)が付いているのが嬉しいポイント。
急な雨に見舞われた際でも、濡れずに作業ができます。
構造は、片側に横長のシンクと水道の蛇口がずらりと並び、その反対側はフラットな調理用の作業台(カウンター)になっています。
また水道の後方にも別途ステンレス製の調理台を備えています。



離れているため利用することはなさそう。
枕瀬山キャンプ場 トイレ

実際に利用できるトイレは、駐車場に設置されている2基の仮設トイレです。
「仮設」といえども内部は驚くほど綺麗に清掃が行き届いており、便座も安心の洋式便座となっています。衛生面での不快感はなく、非常に清潔に維持されているため安心して利用できます。

なお、敷地内には他にしっかりとした佇まいのトイレが2箇所ありますが、いずれも使用中止となっていました。


枕瀬山キャンプ場 シャワー棟

シャワー棟は、バンガローの先にある傾斜を少し下ったところにひっそりと佇んでいます。
完全な個室タイプになっており、脱衣場とシャワー室がそれぞれ十分な広さを確保されているため、
狭さを感じずにゆったりと着替えられます。

【重要】利用前に必ず管理棟で開錠を頼むこと!
ここのシャワー室は、普段は鍵が閉まっているようです。
利用の都度いちいち施錠・開錠するわけではないようですが、その日に利用予定者がいないと基本的には閉鎖(施錠)されている状態にあります。
そのため、利用する予定がある場合は、必ず事前に管理棟(受付)へ行って「シャワー室を開けてほしい」とスタッフの方に伝えておく必要があります。
先述の通り、管理棟の営業時間は17:00まで。
夕方遅くにキャンプ場へ到着したり、のんびり設営や買い出しをしたりしていると、窓口が閉まってシャワーが浴びられなくなるという最大のトラップが潜んでいます。
受付時に「夜にシャワーを使いたい」とまとめて伝えておくのが確実です。
コインシャワーの少し特殊な使用手順
こちらのコインシャワーの利用方法は少し特殊です。
コイン投入前に、壁に貼ってある注意事項をよく読んでから操作するようにしましょう。

- まず入口のスイッチを「ON」にする
- 中のコックを「カラン」か「シャワー」に合わせ、温度を調整する
- 脱衣場に戻り、100円硬貨を投入する
シャワー室入口の壁にあるスイッチを、必ず最初にONにします。
シャワー室に入り、蛇口のコックを「停止」から動かします。右横のコックで水温を調整しておきます。(42℃以上では使用禁止)。
脱衣場に出て、タイマー前面のコイン投入口に100円硬貨を必要分投入します。
料金システムとお得な使い方と注意点
基本料金は3分間で200円。以降、100円で1分30秒ずつ延長できます。
4分30秒は300円、6分は400円、最高15分間1,000円まで連続投入が可能。
但しおつりは出ないのでご利用は計画的に。
また両替機はないので両替が必要であれば管理棟が開いている時間にお願いしましょう。
体を洗っている間などは、タイマーにある「一時停止ボタン」を押すと、残り時間をキープしたままお湯とタイマーを同時に止められます。
枕瀬山キャンプ場 灰捨て

キャンプで出た灰や消し炭は、管理棟のすぐ横にある指定された場所へ廃棄することが可能です。
ただし、ここの灰捨て場はドラム缶などの容器ではなく、指定された地べた(地面)にそのまま廃棄するスタイルになっています。
捨てる際は、事前に必ず水をかけるなどして完全に消火したことを確認してから廃棄するのが、必須のマナーです。

枕瀬山キャンプ場 ごみはどうする?
枕瀬山キャンプ場では、すべてのゴミが持ち帰りとなっています。
枕瀬山キャンプ場 その他施設

敷地内には、キャンプサイトのほかにバーベキュー施設と、2棟のバンガローが建てられています。

実はこのバンガロー、テントサイトで激戦区となるあの絶景を確実に楽しむためのスポットでもあります。

利用料金はバンガロー泊としてはかなりリーズナブルな価格設定です。
【バンガローの利用料金】
3,500円(1泊) +利用人数(1名につき300円)
どうしてもあの景色を楽しみたくて訪れた方や、雨の日の利用にもよいかもしれません。
【枕瀬山キャンプ場体験レポ】トラブル道中の山陰山間ツーリングと破格のワンコイン絶景キャンプ!

中国一周キャンプツーリング、この旅最大の山場となる連休初日の宿営地探し。
以前、島根県を旅した際は日本海に沿って海岸線を走ったので、今回は趣向を変えて「山間ルート」を攻めてみたい。
しかし、時は秋の絶好のキャンプシーズン真っ只中。はたして都合よく宿営地が見つかるものか…?
Googleマップと睨めっこしながら、鉛筆なめなめキャンプ場を探す。
「お、こんなところにキャンプ場があるぞ」
見つけたのは「枕瀬山(まくらせやま)キャンプ場」。
半分ダメ元で、電話をかけてみる。
「あ、いいですよー!」
意外とあっけなく宿営地が決定した。
しかも、電話の対応をしてくれた若いスタッフの方は同じライダーだそうで、
電話越しにひとしきりバイク談義で盛り上がる。しかし、受話器の向こうから最後にこんな一言が。
「あ、でも、キャンプ場の手前の道は本当に気を付けてください。実は私も、あそこでスリップして転けたことあるんで…」
ライダースタッフすら一蹴する、手前の道とは?!
そんな不穏かつ重要な前情報を教示され、いざ向かわん枕瀬山!
今回は、萩から山陰の山間を越えて向かったハプニング付きの【道中編】と、
電話一本の直感だけで決めたキャンプ場での【滞在編】に分けて、その全貌を余すことなくレポートします!
※道中の~キャンプ場までのツーリングの様子を共に辿りたい方は、このまま下へ読み進めてください。
※キャンプ場の詳細・滞在の様子をすぐに見たい方は以下のリンクから、ジャンプできます。
👉【滞在編】まさに最高のソロキャンプ地を発見!ワンコインで味わう絶景特等席
【道中編】萩~津和野│山陰山間迷走ツーリング

萩長門峡線での電波消失と圏外ルート迷走
前日からお世話になった阿武川河川公園キャンプ場を、午前10:00に出発。
まずはナビを本日の宿営地にセットし、まっすぐ向かおう…としたのだが、そこはバイク旅。
せっかくの快晴だし、途中でどこか寄り道できるスポットはないか?
そう思って地図を探ってみると、これから向かうルート沿いに「重塀岩(じゅうべいいわ)」という場所があるらしい。
よし、旅のスパイスにちょうどいい。さっそくナビに経由地としてプロットし、アクセルをひねった。

キャンプ場を出てまもなく、道はすぐに阿武川ダムの美しい貯水湖畔へと躍り出る。
鏡面のような湖が、緑に囲まれた周りの景色を取り込んで映していた。
そのまま萩長門峡線に入り、阿武川の上流に向かってバイクを走らせる。 前後に車の流れは一切なし。山間に流れる澄んだ渓流と、時折現れる鮮やかな赤い橋。

それらを横目に眺めながら進むワインディングロードは、まさに至福のひとときだった。
やがて、阿武大橋を渡りプロットしておいた地点に到着する。 ん……ここか?

バイクを止めて見上げると、川に突き出した荒々しい岩肌が、まるで一幅の日本画のような美しさで佇んでいた。
おお、良い雰囲気じゃないか。なぜGoogleマップの評価が低いんだろう?
重塀岩

そんな隠れた名所に満足し、次の目的地へ向かうべくスマホのナビ画面を切り替えた――その瞬間だった。
画面がフリーズし、スマホが沈黙した。
電波が、ない…!
やばい。山陰の深い山々を舐めていた。
よりによって、この土地勘のない山間部で唯一の道標を失ってしまったのだ。
とにかく立ち止まっていても始まらない。太陽の位置からだいたいの方向を定め、勘を頼りに進んでみることにする。
やがて目の前には、さらに深い渓谷のような絶景が広がるのだが、頭の中はとにかく早く電波を拾いたい一心。さっきまでの景色を楽しむ余裕がジワジワと削られていく。
川に沿ってひたすら走り続けると、「竜宮淵」という場所に辿り着いた。
ここでようやくスマホが微弱な電波をキャッチするのだが、現在地を確認すると…。
しまった、行き過ぎちゃったみたい…。
完全にルートを逸脱していた。ここから先へ進むと、かなりの遠回りを強いられてしまう。
記憶を巻き戻してみる。どうやら、さっき途中でチラッと標識らしいものが見えた分岐点から、山を越える「峠道」に入るのが正解だったようだ。
うーん、ということは、またあの圏外エリアへ逆戻りしなければならないのか。
覚悟を決め、今見えている進路をしっかりと頭の中にトレースし、来た道をUターンした。

予想通りの鬱蒼とした峠道。ここで一本でもルートを間違えて変な林道に迷い込んだら、詰んでしまいそうだ…。

標識を丁寧に確認しつつ走っていると、前方に1台の軽トラが現れた。
おお、水先案内人!!

地元の方の後ろをついていけば、電波が正常に拾える集落に抜けられるかもしれない。
救世主(メシア)の登場に心強くなる。適度な車間距離を保って後ろをトコトコと追尾した。
ところが数秒後、その軽トラが突然ハザードランプを点滅させて左側に停車。
窓から手が出てきて、「先へ行け」と道を譲ってくれたのだ。
(いやいやいや! 違うんですよお父さん。 抜かしたいんじゃなくて、迷子だからついていきたいんです…。)
心の中でツッコミを入れるが、この狭い峠道でこちらもバイクを止めて様子を伺うわけにもいかない。手を振って感謝を示しつつ、おずおずと前に出る。 世の中、そう思い通りにはいかないものだ。
強制的に先頭に立たされ、おどおどしながらしばらく進むと、ようやく視界が開けて広い県道へと飛び出した。電波も復旧、なんとか無事に軌道修正を果たすことができた。

ナビが正常運転に戻ったところで、軽く昼飯を済ませたい。スーパーの確認に入る。
調べてみるとなんとこの先、小さな商店らしきものはポツポツあるものの、まともなスーパーがほとんど存在しないのだった。
調べてよかったー危ないところだった。国道沿いにある、このエリアでは唯一無二の貴重なスーパーを即座にプロットし、買い出しと休憩を兼ねるべく向かった。



マルキュウ徳佐店

天空にあるキツネの宮殿「太鼓谷稲成神社」
国道9号へと合流し、バイクをさらに北東へと進めていく。

山と山の合間、両側を青々とした田んぼに囲まれた1本道。 実にのどかで、美しい日本の原風景が広がっている。車通りもほとんどなく、優雅な気分でバイクを走らせる。
あまりの心地よさに、「ゆったり たっぷり のーんびり〜♪ 旅ゆけば〜津和野路~♪」
なんて、どこかの温泉のCMソングが頭の中をループし始めていた。
そうこうしているうちに、ついに島根県へと突入。

青看板に「津和野」の文字が浮かび上がる。ようやく、今夜の宿営地がある目的地をその視界に捉えた。
そういえば…と、前日の阿武川河川公園キャンプ場で出会ったキャンパーとの会話を思い出す。
「津和野に鳥居がずらーっと並ぶ、もの凄いスポットがあるぞ。名前は…、なんだったかな?
まぁ、行けば分かるさ。」
そんなことを考えていた矢先、突然道が分岐し、頭上を跨ぐようにして巨大な鳥居が現れた。

ナビにはセットしていなかったが、直感が告げている。
これだろ!と迷わず進路をそちらへ切った。

狭い小道をグネグネと下っていくと、遠くの山の斜面に、鮮やかな赤色の鳥居が幾層にも連なっているのが見えた。
津和野町へ入った。なんだかとても閑静で上品な街並みが続いている。

やがて神社への標識が現れ、バイクのギアを落として急な上り坂をグイグイと上がっていく。

またもや目の前に大鳥居が現れ、いよいよここから、あの千本鳥居のトンネルをくぐるのか!?
と身構えたが、道はあっけなく山頂の駐車場へと着いてしまった。

とはいえ、駐車場からの眺望は抜群だ。
こんな山の高い場所に、よくこれだけ立派な大社殿を築いたものだと感心してしまう。

威風堂々とした本殿を見上げると、そこには極太の立派なしめ縄が掲げられていた。
さすがは神々が集う国・島根。圧倒されるような神聖な光景だ。

旅の無事を祈ったあと、社務所へ足を踏み入れると、そこはどこを向いても狐だらけ。
…かと思えば、なぜか時折、真っ赤な広島カープグッズも混ざって並んでいる。

ここでようやく察した。 神社の名前もろくに確認せずに来てしまったが、
よく見れば稲成=稲荷?
ここは動物神、お稲荷さんだったのか…。
お稲荷さんは「一度お参りしたら信仰し続けなければいけない」「お礼参りを忘れると怖い」という
都市伝説的な俗信もあり、気まぐれな旅人がふらっと立ち寄るには少々ハードルが高い…。
まぁ、たいしたお願いはしてないし、旅の挨拶くらいだから大事には至らないだろう、
と自分に言い聞かせ、神社を後にした。
※あくまで個人的な見解です。迷信・俗信なので心配しなくて大丈夫です。
再び愛車に跨り、エンジンを始動させる。 それにしても、本殿の立派さには大満足したけれど…、
遠くから見えた、あの幾層にも連なっていた鳥居の参道は、一体どこから歩けば入れたのだろうか?
キャンプ場直前!この旅暫定2位の難関ルートを越えて
千本鳥居の謎を背中に残しつつ、津和野の街並みをさらっと流し、いよいよ今夜の目的地であるキャンプ場へと一気に距離を詰める。

国道9号は、さらさらと流れる津和野川とJR山口線の線路をなぞるようにして、爽快な北上ルートを描いていく。

やがてナビは、「日原(にちはら)」という駅の周辺へと案内した。
駅があるわりには、ひっそりとした小さな集落だ。

ナビを確認する。いよいよキャンプ場まではあとわずか。
…ということは、電話でスタッフさんが事前に警告してくれた「あの関門」がそろそろ現れる頃合いだろうか。

ぽつぽつと並ぶ家屋の合間をすり抜けると、道は一気に鬱蒼とした山道へと誘い込んできた。
そして、最初の急カーブをグッと曲がった瞬間。「―これか」
思わずヘルメットの中で声が漏れ、ちょっと進んだだけで確信した。

目の前に現れたのは、車1台分ほどの細い急勾配。
アスファルトの両側は落ち葉で覆い尽くされ、路肩のところどころはそのままガードレールなしの崖になっている。さらに最悪なことに、道路の真ん中はガッツリと緑色に苔蒸していた。
スタッフが「自分もスリップして転けた」と言っていた理由はこれか。
轍の真ん中が見事なトラップと化している。
確かに、レベルの高い難所ではある。
――が、しかし。今回の中国地方ツーリングの旅路においては、ここは暫定2位の悪路といえよう。
広島のあの山奥でくらった『デスロード(井関加茂線)』の絶望に比べれば、まだ幾分かはマシだ。
これまでの過酷な旅の経験が、確実に精神を強くしている…(笑)。
とはいえ、ここで調子に乗ってアクセルを開けるのは一番良くない。
路面の苔と落ち葉を慎重に見極め、タイヤの足元を確かめるように、慎重に、丁寧に進路をとる。

木々に遮られた薄暗い激坂を、息を詰めるようにして登ること数分。
フロントスクリーンの向こう、前方にパッと明るく天が開けた。

まさにその瞬間、視界が弾けるようにして、目的地へと到着した。
【滞在編】まさに最高のソロキャンプ地を発見!ワンコインで味わう絶景特等席
急斜面を上りきると、前方に突如として3つの分かれ道が現れた。

はて、ナビによればもう既にここがキャンプ場のはずなのだが…?
左手には建物らしきものが見え、真ん中と右側のルートは、まるでジェットコースターの下り坂のように先がまったく見通せない。
まずは様子見にと、左の道へと進路を取る。

違う。ここは単なる高台のようだ。
しかも地面が斜めに入り組んでおり、タイヤが砂で滑って停車すらままならない。
立ちゴケの恐怖と戦いながら、スロープの傾斜をうまく利用してなんとかバイクの向きを変えた。
ならば、と次は右の道へ。

下りのスロープをソロソロと降りると、そこは駐車場。
むむ、おかしい。本当にここで合っているのだろうか?
残るは真ん中の道。
その駐車場から真ん中のルートへ復帰するには、上りきった先にある鋭角カーブを切り返さねばならない。

車体を必死にコントロールし、最後に真ん中の道を下ると、目の前に、パッと広い芝生の広場が姿を現した。

まさか3択の分岐で、ことごとくハズレを引き続けるとは。
人生において何が正解か、だけでなく、何が不正解かを誰よりも多く知ったかのような気分だ。
(なんのこっちゃ…)
クマ?ワンコイン?そして完ソロ!?連休初日に訪れた「まさか」が続く3ワード

広々とした芝生にバイクを停車し、管理棟らしき小屋へと向かう。
ここではスリッパに履き替えて入室するスタイルのようだ。
ペタペタと床を鳴らしながら窓口に歩み寄る。

名前を伝えると、電話口で伝えた情報がワープロ打ちですでに完璧な書類としてまとめられていた。
アナログなのに、このしっかりした仕事の丁寧さに少し驚かされた。
手渡された注意事項の紙を、上からなぞるようにチェックしていく。と、
文章の途中でピタリと目が留まった。
「…クマ?」
「そうなんですよ、クマの目撃情報があったから注意してくださいね」
受付のスタッフが何気ないトーンで告げる。それは一体いつの話かと尋ねてみた。
「昨年(2024年)、ここらへんでクマらしきものを見たって目撃情報がありましてね。警察も動員されたんですが、結局のところ痕跡はなくて。でも一応、気をつけてください」
足跡や爪痕、糞などの痕跡が残るような気がするのだが、本当にクマだったのだろうか。
見間違いの可能性もあるが、4日前岡山で出会った男性から「山口から岡山にかけてクマがうろついている」というリアルな情報を得ていたため、あながち無視できる話でもなさそうだ。
そして、気になる料金の提示。
なんと驚きの500円! 安い、安すぎる。
「バイクですか? サイトに乗り入れます?」
「ええ、なんでですか? ご覧の通りもう乗り入れてますけど」
「終日乗り入れ(オートキャンプ)だと、追加で500円もらわないといけないんですよ…」
なるほど、そういうシステムか。とはいえ、乗り入れたとしても合計1,000円。
それでも破格の安さだ。しかし、種を明かすようにスタッフはこう続けた。
「無料の駐車場なら、実はすぐ隣にありましてね…」
指し示す方を見る。
…あ、さっき間違えて突っ込んだ、あの右側の駐車場のことか。
位置関係を確認するまでもなく、サイトと完全に隣接している。
距離にして目と鼻の先、バイクの荷物を運ぶのにも全然問題ないレベル。
申し訳ない素振りをみせつつも「すみません、無料駐車場を利用します」と申し出た。
財布から500円玉を1枚取り出して支払う。
見事、正真正銘のワンコインで済んでしまった。

時計の針はちょうど13時を回るところ。
しかし、サイト内にはまだ誰もいない。
連休初日の混雑を予想し、観光もそこそこに切り上げてこの場所を目指してきたが、拍子抜けするほど静かだ。これから何組くらい来る予定なのか、何気なく聞いてみた。
「あ、今日はあと1組ですね。2名来られる予定です」
なんと! 繰り返すが、本日は連休初日の大快晴である。
なんてこった。もしかしたら、ここは通(つう)しか知らない、穴場中の穴場なのかもしれない。
現在、堂々の1番乗り。 好機到来。最高のロケーションを、完全に選び放題だ。
ふつふつと心が躍り出すのを感じた。

場内随一、眼下に広がる超絶景!妬まれるほどの一等地を確保!

改めてサイトをぐるりと見渡す。
一目で全体が把握できるほどの、一面に広がるこじんまりとした美しい芝生サイトだ。
敷地の斜面側には、きれいに直角に刈り込まれた植え込みが施されている。
ふと、歩きながらその植え込みの先へと目をやった瞬間、言葉を失った。
視界が遮られることなく抜けたその先、山々が遥か彼方で連なっている。

そして眼下を見下ろせば、一本のまっすぐな道路と線路が、まるでミニチュアのジオラマのように突き抜けて見えた。

なんと見事な景色であろうか。
まさかこれほどの大絶景に出会えるなんて…。
念のため、この極上の景色をさらに堪能できる特等席がないかと、斜面側をすべて歩いて偵察してみる。
しかし、他の植え込みの隙間から覗き込んでみても、生い茂る木々に阻まれるばかり。

やはり、あの場所だけが、場内で唯一、奇跡的に極上のロケーションを保っている「特等席」なのだろう。
「でも、これほどの一等地を独占してしまったら、後から来るキャンパーに妬まれてしまうんじゃないかしら…」
そんな贅沢すぎる杞憂を胸に抱きながら、そそくさと設営を開始する。

――うん、見事だ。
お気に入りのテントの前に広がる超絶景。
たったワンコインで手に入ってしまったあまりにも贅沢な空間に、顔がにやけてご満悦。
幸福感がじわじわと満ち溢れていくのを感じた。
14時を過ぎても未だ完ソロ!ちょっと気になる(?)場内スポット散策
テントの中から十二分に景色を堪能した後は、改めて場内散策へと繰り出す。
とはいえ、ここからでも施設はほぼすべて把握できるほどの規模なのだが、
どうしても一点、気になっていた場所があった。
それは、駐車場へと続く壁に大きく書かれた「便所」の青文字。

目と鼻の先に仮設トイレが鎮座しているのにもかかわらず、その文字の横にある矢印は、
わざわざ反対側の鬱蒼とした方向を指し示しているのだ。


誘われるように、木々が頭上を覆う薄暗い緑のトンネルへと足を踏み入れる。

それはまるで、あの『千と千尋の神隠し』で、不思議な世界へと迷い込んでいくワンシーンのようでもあった。
トンネルを抜けた目の前には、巨大なタンクがひっそりとそびえ立っており、そこから先は立ち入り禁止。

不思議に思って振り返り、ふと横を見ると、そこには藪にすっかり覆い尽くされた古い建物がひっそりと佇んでいた。

思わずびくっとする。
その入り口へ続くわずかな歩道には、何層もの巨大な蜘蛛の巣が張り巡らされ、まるで部外者の侵入を頑なに拒んでいるかのようだ。
よく見ると、そこには使用禁止の張り紙。
顔にまとわりついた蜘蛛の巣を払いながら、足早に踵を返した。

せっかくなので、シャワーの位置も確認しておく。
バンガローを横目に通り過ぎると、下へと続く階段が現れた。

段を下りきった先には、立派な屋根付きの炊事棟が建っている。

そして、その向かい側には――またしても「使用禁止」と書かれた古いトイレ。

わざわざ上段のサイトにある施設で十分に事足りるというのに、ここまで降りてきて利用する者がいるのだろうか。一体、誰がどういう意図で利用するのか分からない不思議な配置に、小首をかしげながらメインのサイトへと戻る。
それにしても、容赦のない強い日差しが照りつけてくる。
じりじりと焼かれるような暑さの中、頭に浮かぶのは一つの願望だけ。 氷がほしい…。
かろうじて拾っている微弱な電波を頼りに、周辺に何かないかとスマートフォンで調べてみる。
すると、灯台下暗し。なんとすぐ近くに、スーパーらしき店舗があるのを発見した。
それならば話は早い。
手早く簡単な洗濯を済ませて干し終えると、氷と冷たい飲み物を求めて買い出しへと出かけることにした。
時計の針は14時30分を過ぎたあたり。 サイトは未だ貸切状態のままであった。

連休初日にわずか4組の奇跡!夕焼け小焼けで岩国寿司
キャンプ場から出発するには、当然ながら先ほど上ってきたあの坂を再び通らねばならない。
上りよりも「下り」のほうが遥かに危険だった。
路面にはびこる滑りやすい苔を避けようと左へ寄れば、そこには堆積した落ち葉、そしてそのすぐ先はガードレールのない崖。もしもこのタイミングで対向車が来たら、避けるスペースなどどこにもない。
最悪のケースが頭をよぎり、ブレーキを握る指先がじわりと汗ばむ。生きた心地がしないスリルを味わいながら、なんとか下の集落まで無事に下りきった。

しばらくバイクを走らせると、お目当てのスーパーに到着。

店内を覗いてみると、地産の新鮮な魚やローカルな加工品の品揃えが実に素晴らしい。



これなら、事前の買い出しをここで全部済ませても良かったなと思わされるほど充実したローカルスーパーだった。
まごころ市場にちはら

追加の買い出しを終え、再びあの坂を警戒しながらキャンプ場へと戻ると、場内にはいくつかのテントが立ち並んでいた。
それでも、ざっと見渡して自身を含めてわずか4組。
連休初日の快晴という日に、この広大な敷地でたったの4組だ。
いよいよ、ここは「本物の穴場」であると確信めいたものが胸に湧き上がる。
バイクを停め、待ちに待った瞬間がやってきた。
さっそく買ってきた氷の袋を破り、まずはキンキンに冷えたコーラの強炭酸を喉に流し込む。じりじりと照りつけられていた体に、シュワシュワとした刺激が染み渡り、思わずふぅ、と深い吐息が漏れた。

17時を迎えると、どこからともなく『夕焼け小焼け』のノスタルジックなメロディーが流れてきた。
それを合図にするかのように、周囲の世界がやがて美しい夕焼けの茜色に包まれていく。

ここで、本日の戦利品をテーブルに広げる。

主役は、色鮮やかな「岩国寿司」だ。すぐ隣は山口県なのだから、ここで手に入るのも大いに納得、もちろん大正解の選択であった。

ずっしりとした重みがあり、食べ応えも抜群だ。身体がやたらと酢飯を欲していたのは、長距離走行による疲労が蓄積していた証拠かもしれない。
続いて、先ほど仕入れた豚コマ肉を軽く炒め、シンプルに塩を振ってつまみとする。
手が込んだ料理じゃなくていい。こんなんでよい、いや、これがよい。

最近は移動メインの旅が続いていたが、今回は久しぶりにキャンプ場でどっぷりと過ごす時間を確保できている。せっかくなので、焚き火でも熾してみることにした。

パチパチと爆ぜる炎を見つめる。暖かい。
この日の日中は最高気温37.9℃という猛烈な酷暑を記録していたが、山間の夜は陽が沈むと一気に冷え込んでくる。揺らめく炎の温もりが、疲れた身体を優しく包み込んでくれた。

ちょいと一杯のつもりでのんでー♪突如始まったツッコミ修業?山口キャンパーと過ごした交流会

焚き火もすっかり落ち着き、赤黒く熾った炭をのんびりといじっていた、その時だった。
突如として、テントの陰から低く渋い声が響く。 「どうです、ちょっと一杯?」
ダンディズム溢れる、それでいてどこかやわらかな物腰の誘いに乗せられるまま、引き寄せられるようにテントの外へと足を向けた。
お言葉に甘えて、僭越ながらその宴に参加させてもらうことに。
話を伺うと、山口県からやってきたという二人組のキャンパーだった。
「ほんのちょいとだけ…」とその場に腰を下ろして飲み始めたものの、気がつけばいつの間にやら、もともとそこにいたかのような三人組のキャンパーとなって盛り上がっていた。
「こういうの、食べたことある?」
そう言って、道中の道の駅で仕入れたという新鮮な活サザエを網で焼き、優しく貝のフタを取ってくれようとするのだが、「あちちちち……!」と指をくわえる一幕もあり(笑)。
そのどこか不器用で細やかな気遣いは、なんだか優しいお父さんのようでもある。

そして、もうひとかたは、まさに生粋のギャグスターだった。
出会った瞬間から終始絶好調で、マシンガンのように繰り出されるギャグの後は、決まってこちらの突っ込み待ちの視線が飛んでくる。
最初はあまりのハイテンポに戸惑い圧倒されていたものの、お酒が回るにつれてなんとかその高度な掛け合いについていけるようになってきた。
「お、キレがよくなってきたね!」
そう褒められると、なんだか妙に嬉しくなってくるから不思議だ。
それにしても、お二人とも笑いのセンスが抜群である。とてもこのブログには書けないような、とっておきの爆笑ギャグを次々と披露してくれた。
山口県のエンタメレベルは、高い。
頼れる兄貴のようでもあり、お父さんのようでもある、そんなお二人の底抜けた温かさに触れながら、久しぶりに心の底から笑い合える、最高に楽しいキャンプの夜が更けていった。
良きロケーションと最高の出会いに感謝して、いざ出発!

翌朝、目が覚めてテントのジッパーを開けると、目の前には息をのむような美しい雲海が広がっていた。
眼下の景色はそのまま残しつつ、真っ白な朝霧が、まるで山の頂点だけをちょこんと出すように優しく包み込んでいる。
昨日の突き抜けるような大絶景とはまた一味違う、なんとも神秘的な光景だった。
この特等席を選んで本当に良かったと、改めて思う。
そんな絶景を眺めながら、のんびりと歯ブラシを口に突っ込んでいたら、
どうやら昨晩の愉快なお二人組は、既に手際よく帰り支度を整えているところだった。
慌てて口をゆすぎ、昨夜の最高に楽しかった時間へのお礼を伝える。
車のエンジン音とともに、笑顔で去っていくお二人を見送った。
気がつけば、周りのキャンパーたちも早々と撤収を済ませており、広大なサイトにはいつの間にかポツンと一人だけがとり残されていた。
心地よい朝の風を感じながら、バイクの荷台へと荷物を一つずつ積み込んでいく。
こちらもいよいよ、出発の刻だ。

最高のロケーション、素晴らしい穴場感、そして何よりも忘れられない極上の出会い。
すべてが奇跡のように噛み合った、本当にいいキャンプ場であった。
まとめ:大絶景と穴場確信、枕瀬山キャンプ場は隠れた名キャンプ場だった

連休初日の大混雑を覚悟のうえで向かった今回のキャンプ旅でしたが、蓋を開けてみれば、そこには信じられないほどの絶景と、旅情をそそる最高の出会いが待っていました。
実際に一晩を過ごしてみて感じた、このキャンプ場の「良かったところ」と「気になったところ」をバイクソロキャンパーの視点でまとめます。
👍 よかったところと💦 気になったところ
日中の突き抜けるような青空から、辺り一面を茜色に染める夕方、そして目覚めた瞬間に目の前に広がっていた神秘的な朝の雲海まで、時間ごとに移り変わる様々な表情を特等席から堪能できました。
キャンプ利用料はもちろん、シャワーや薪にいたるまで、財布に優しい価格設定です。
それでいて決して不便ということはなく、ソロキャンプを快適に過ごすには十分な設備が整っていました。
単に予約が取れただけでなく、実際の利用客が4組だったこともあり、のびのびとした静かな空間を過ごすことができました。
当日の飛び込み利用も可能だったようで、少なくとも今回滞在した感想としては最高の穴場キャンプ地を見つけたと確信しています。
苔と落ち葉、そして所々にガードレールのない崖が続くアクセス路は、とにかく慎重な運転が必須となります。
道幅が非常に狭く対向車との行き違いが困難なため、一度チェックインした後に買い出しなどで再び坂を下る際は、細心の注意を払う必要があります。
最後に

あの険しい狭坂という試練を乗り越えられれば、そこにはソロキャンパーにとって素晴らしい環境のキャンプ場が待っています。
数々のツーリングキャンプを重ねてきた中でも、
間違いなく「本物の穴場」だと確信できる、最高のキャンプ場だと思いました。
最高の景色と、出会った人々の温かさに感謝して。
また次の目的地へとバイクを走らせます。
(次回【中国一周キャンプツーリング#7】へ続く)






